おに
独り言
誰も聞いていないと
思っていたんだ
耳鳴りのせいにして
声を出す
今日も
カーテンレールは
真っ直ぐ伸びている
少なくとも
今日は
鏡に映ったイメージを
大切に抱えながら
圧力でページが張り付いた雑誌を読む
強引に剥がしてはいけない
数えている声が大きくなるよ
ほら
ね
「みいつけた」
鬼は来ないよ
あのときの君も
あの景色も
もう見られないよ
追いかけてこないから
色を探さなくていいね
追いかけてこないから
氷づけにならないね
そんな自分の影を
そっと踏んだ
閉じ込められていたんじゃなくて
隠れていただけだ
──じゃあ、出てこられるよね?
誰かの名前を呼べるなら
まだ大丈夫だろう
夜が明けた
これで何回目の朝かな
今日も
カーテンレールは
真っ直ぐ伸びている
少なくとも
今日は
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