空き缶


それはアルミ缶でした

乾いた音を立てて
坂道を転がっていきました





雨が降った日
水滴の溜まった花が咲いていました

色が
より鮮やかに見えました





転がると
砂利と道路に擦れて
ひりひりします

こん、と
ひときわ大きな音がしました

さっきまで
宙に浮いていたのに
気づいたときには
もう地面でした





こんなにも愉快で
こんなにも悲しい
こんなにも広くて
こんなにも窮屈
こんなにも豊かで
こんなにも乏しい

こんなにも愛しいのだ
歩く君の前

潰されるまで






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