空を引っ掻く音
交差
まるで蜘蛛の巣の一部だった
細く 細く
絡まりながら
流されていく
あいつはいつも泣いている
まわりがどうであろうと
澄んだ空気のなかで
濁りながら
引っ掻いた
「ちょうどいい青さだ」、と
バケツの水を振り回して笑っている
纏わりつくものから逃れるように
不利だった
あの角を曲がるまで唇を噛み締めると
滲む鉄の味が一筋流れた
割れたレンズは輪郭をとらえないのに
風にどかされる蒸気を目で追っている
歪んだ景色で鼻の奥がツンとなる感覚
浮かんだまま
どこまでも
続く
あいつはいつも泣いている
知ってるけど
いちいち気にするのも面倒だから
夏に置いてきた
そこだけ
ビニールシートの色に
染まってるみたいだ