事象


噛み終えたガムを包む紙と同じように
それもごみ箱へ消えていくのでしょう

役目を果たした、と
終わりを告げるために

握り潰したり
踏み潰したり
潰してばかりなのは

捨てやすいように
細かくしているんだよ



頑固な油汚れみたい
何も感じないなんて嘘だ

だんだん重くなっている
気づいているのに
寒空の下
天体観測するふり



不気味な笑み
ベタベタ貼り付く
用意されたガム2粒
陽気な味がするんだってさ

放り込んでから
色彩が変わって
たまに膨らんで
ひとつになって
大きくなるから
まとめて吐き出すと

すごく疲れるらしいよ



街灯を探して
手をかざす
蛾の群れにも混ざれないなんて

嘘だよね?



──星が見えない夜の話





戻る
トップページへ