息を潜めて



冷たくて痛い
血色の悪い手で
ボールペンを握る

その時だけは
力を込めて



いつもひっかかるの
毛羽立っていないのに
いつの間にか掠れていくの
インクはまだあるのに

使い切りたいのに



もう
この距離でいい
それ以上は望まない
この線が走る範囲でいい

『どうか お元気で』

それだけでいい



たくさんの紙の束と共に
空へ飛んでいけ





戻る
トップページへ