飲酒解禁した従兄弟と松田陣平の話
「萩原、なんか雰囲気の良い飲み屋を教えろ。」
「はあ?何?飲み屋?」
「ああ。」
「………誰と行くの?」
「…………。」
「松田がだんまりする時は従兄弟関連だって俺は学びました。」
「うるせー。どうせ遊び回ってるんだから店くらい知ってんだろ?」
「失礼か!俺はそんなふしだらな男ではありません!」
「ヘエー。」
「棒読みやめよう⁉」
めんどくせえなコイツって顔をあからさまにするんじゃありません!既に顔を背けてしまった松田を見ながら考える。そういえば、松田の従兄弟と初邂逅を果たしたのはそこそこ前だったなあ。あの時は確か、十九歳だったはずだよね?
「はっ!もしや従兄弟は遂に成人へと⁉」
「チッ。」
あ、当たりだ〜〜‼松田って結構こういう所あるよねえ。ニヤニヤすると心底嫌そうな顔をされる。まあ良いでしょう。記念すべき飲酒解禁のお祝いだもん。
「従兄弟くんの為ならこの萩原研二、一肌脱いであげましょうかねえ。」
だから、一緒について行っても良い⁇と交番勤務時代に小さな女の子たちから大好評だった満面の笑みを浮かべたのに。ゴン!と音がして目の前に星が飛んだ。
「いってえーーーーーー‼」
「ふん。」
喫煙所で蹲る俺を見て、鉄槌を下した張本人は無慈悲にも鼻で笑い出て行ってしまう。ぐう…酷くない?俺だって従兄弟くんのお祝いをしてあげたい。きっとすごい喜ぶんだろうなあ。はあ〜〜想像の中だけでもめちゃくちゃ可愛いね⁇まあ、あまりからかって松田を怒らせるのも面倒だしちゃんと探してあげるか。なんて、優しい俺はもう一本煙草を吸いながら端末を取り出す。雰囲気の良い飲み屋ねえ。あの松田が『雰囲気の良い』って言うところがなんていうかもう…。ダメだ、思い出しちゃダメだ!面白すぎてニヤニヤするけど!俺は今一人!落ち着いて!何度か深呼吸を繰り返す。未だに松田の従兄弟くんの前では簡単に顔面崩壊するんだよなあ。でも仕方ないよね。松田の従兄弟こと松田旭くんとは、偶然だったり松田と一緒だったりと様々な状況で何度か顔を合わせているんだけど。見る度に可愛いなあと思ってしまう。いやあ、普通にしてても可愛いけど女装してる時は最高にタイプ。実はひっそりとあんな子が彼女に欲しいと思っているのに、今のところ旭ちゃん以外とは出会えていない現状が実に残念でなりません。
今までに行ったことがある飲み屋も含めて探しながら、そういえばここは雰囲気良かったなあーと女の子が好きそうな感じの場所を幾つかピックアップしていく。ん?あれ?俺、ナチュラルに女の子が好きそうなお店探してるけど大丈夫かな?ふと我に返って考え直した。三秒考えたけど、まあ大丈夫でしょ。そう、脳内の俺が深く頷いている。うんうん、そうだよね。それに、あの子ならどんな場所に連れて行っても喜んでくれそう。は、はあ〜〜、ほんとさあ、良い子過ぎない⁇何件かの店をピックアップ出来た端末をポケットへしまい、火のついた煙草を手に持ったまま。もう一方の手で目元を覆いしゃがみ込む。
「おーい、萩原大丈夫か?具合悪い?」
「ぐう〜〜俺の推しが尊くて辛いです。」
「はあ?お前アイドル好きだった?」
「アイドルかあ……アイドルっていうより二次元って感じ。」
「ええ…?」
廊下から俺の姿が見えたんだろう。煙草を吸わない同僚がわざわざ喫煙室へ入って来て、心配そうな声を出しながら背中をさすってくれたのに。一瞬で困惑した声色に変わっている。その日から、俺は生まれて初めて『二次元の推しが尊くて勤務中に泣く残念なイケメン』という嬉しくもなんともない称号を得てしまったんだけど。そんなことよりも松田が半笑いでアイツに教えておくな、と肩を叩いてきたことにめちゃくちゃメンタルを削られた。
***
「あ、もしもし、お忙しいところすみません。」
『いえ、お電話ありがとうございます。ご予約でしょうか?』
「はい。直近で松田という者の予約が入っていると思うのでその日に…。」
『……はあ、ええと、お探ししてみますが、どういったご用件でしょうか?』
「友人が初めてデートするので、心配にだから近くの席で見守りたいなーと。」
『そうでしたか。…はい、ありますよ。二名様でご予約いただいています。』
「見守っている事がバレない良い感じの席を予約出来ると有難いんですけど。」
『かしこまりました。お任せください。人数はどうされますか?』
「えーっと、二人でお願いします!」
『はい、二名様ですね。お時間は松田様と同じ十八時でよろしいですか?』
「はい!お願いします!」
『承知しました。それでは、当日のご来店をお待ちしております。』
こちらこそよろしくお願いします!とつい力が入ってしまった。こほん、とお上品な咳払いを一つしてから失礼しますと付け加えて終話する。耳に当てていた端末を自宅のテーブルへ置きながら、肘をついて組んだ両手を口元の前へ。ふふふ……スムーズに行き過ぎてむしろ怖い。思わず悪い笑みが溢れるが、松田はちゃんと俺がおすすめした店を予約してくれたようだ。ここさあ、男同士でも行きやすいカジュアルさなのに酒も料理も美味しいし、落ち着いた雰囲気が良いって評判だから女性客も多いんだよ。といった具合に、他にも推しポイントをあれこれ話したけど、心底興味なさそうにほーんとかいう返事してきたくせになあ〜〜!でも良いよお。店の情報送っておくから参考にしろよ!と言った俺の言葉通り参考にしてくれたわけだし。素直なのは感心感心。同じ所属である以上、松田の公休希望日を知ることなど造作も無い。恐らくこのどれかだなと当たりをつけていたうちの一つに、やっぱり予約されていた。いやあー楽しみだなあ。残す問題は俺の方が誰を誘うかなんだけど。頬杖をつきながらあれこれと考えてみたものの。あれ、これ誰も誘える奴居なくね?爆処の連中は却下。絶対ダメでーす。選択肢にすらならない。断固拒否。同僚たちには、旭ちゃんに関する詳しい話を未だにしていない。当然、これから先もするつもりはない。松田はいつも通りのポーカーフェイスで何も知りませんみたいな顔をしているから、相変わらず話題を振られ続けている俺はのらりくらりとかわし続けている。さすがに毎日話題に上がるようなことは無くなったけど。どちらかと言えば、最近は刑事部の方が盛り上がっているらしいと小耳に挟んだ。時々勇敢な美少女が目撃されたり事件に巻き込まれてたりして、その度にエンカウントする刑事部の人間がする話題が流れ流れて爆処まで届く。その美少女の特徴を聞けば、思い当たるところがありすぎて再燃する感じ。そんな同僚の誰かを誘って件の美少女を見に行く⁉無理無理、それは絶対に出来ない。松田旭くんのことは俺のこれまでの人生の中でもトップレベルの最重要機密です‼とはいえ、うーんそうだなあ。旭ちゃんのことを知られても問題ない身内かあ。………あ、居た。一人だけ居るじゃん!と大興奮のまま端末を操作し、早速連絡をしたのだった。
***
「おお、こういう雰囲気の場所とは無縁だからな。誘って貰えるのは助かる。」
「ご飯も美味しいからさ、バッチリ決めたい時に彼女さんとどーぞ。」
ドアを抜けると、隣に並んだ伊達はゆっくりと店内を見渡した。その様子に笑いながらこれ掛けておいてね、と手渡したのは伊達眼鏡。伊達なだけに!とかいうノリは置いておきます。すみません。なんだ?眼鏡?と首を傾げる伊達には、女の人は眼鏡男子が好きだからたまに掛けたらきっと彼女さん喜んでくれるよ。練習しておこうねえ、とかなんとか言って。ほんの少しだけ虚ろな顔のまま反応を伺えば、おお、そうか!なるほど、萩原は物知りだなあとからりと笑って早速眼鏡を掛けてくれる伊達。うん。……うん、ごめんな伊達〜〜‼良い店見つけたから彼女さん誘って行く前に下見してみない?とか誘ってごめんなあ〜〜‼凄く良心が痛むけど、俺はお前の誰も疑わない清らかな心が警察学校時代から大好きで尊敬してるよお〜〜〜‼あまりにも重くのし掛かってくる罪悪感に胸を押さえながらも、俺は俺でトレードマークの髪を後ろで一つに縛っておく。こういうちょっとしたことで人の印象は変わるもんです。
ご予約のお客様ですか?と爽やかな笑みを浮かべたスタッフさんに耳打ちする。
「予約してた萩原です。」
「ああ、お待ちしておりました。」
「あの、例の二人は?」
「まだお見えになっていませんよ。」
「そうですかあ。」
「ええ、お席にご案内いたしますね。」
「はい、お願いします。」
後ろを振り返り案内してくれるって、と伊達を促すといつも通りのからりとした眩い笑顔が向けられた。今日は奢るから許してくれよなあ〜〜。心の中で土下座。
そうそう、先に聞きたかったことを思い出し前を歩くスタッフさんへと向き直る。
「ちなみに、例の二人はどこの席なんですか?」
「そちらのカップル席ですよ。」
「え、カップル⁉」
「ええ。一番夜景が綺麗なところに、と言付かっております。」
「は、はえ〜〜〜。」
「なんだ?どうした萩原?」
「あ、あはは〜、そっちの席カップル用だからさあ、おすすめだよ〜。」
「ほおー、そういうのがあるのか。確かに言われてみれば、夜景が綺麗だな!」
「ねえ〜本当にねえ〜〜〜。」
ダメだ。ダメだよね?松田たちまだ来てないのに、既に破壊力が天元突破してるんだけど。カップル席〜⁉まじで⁇確かにカップル席はおすすめなんだよって言ったけど!しかも一番夜景が綺麗なところ⁉ひえ〜松田〜⁉お前まじかあ〜。笑わないようにするの大変なんだけど‼俺、ここに来たの間違いだったかな⁉
「お席はこちらです。」
「ありがとうございます!」
すかさず松田たちが見えるであろう方向の椅子をゲットする。おおー、バッチリ。
長身かつガタイの良い伊達の体にも邪魔されない最高の角度。連れのことは一切
話してないんだけどな。絶妙すぎる。密かに感動していれば、スタッフさんが大丈夫そうですか?と耳打ちしてくれて。文句のつけようがないほど百点満点の絶景です!と頷き返す。スタッフさんは笑いながらドリンクの注文を取ってくれた。
「人は多いのにやかましくないし、雰囲気が良いな。」
「そうそう、平日もそれなりに混んでるから利用する時は予約がおすすめ。」
「なるほどなあ、飯も旨いんだったよな?」
「うん。今日はスタート早いし、ゆっくりつまみながら色々試してみようね。」
「おお、たまにはこんな日も良いな。」
「確かにね。最近はこうしてゆっくりすることもなかったからなあ。」
「そういや、松田は誘わなくて本当に良かったのか?」
「ん⁉ああ、うん、へーきへーき。松田は今日用事あるって言ってたから。」
「そうだったのか、残念だけど仕方ないな!」
今からそこのカップル席に来るけどな‼ってめっちゃ言いたい‼我慢!我慢して俺‼そろそろ誰かと分かち合いたいけど、こればっかりは仕方ないもんね‼
とりあえずの生ビールからすぐに食べられそうなつまみを頼みつつ、料理を幾つか追加していく。その合間に聞こえたスタッフさんのいらっしゃいませに、いよいよお出ましかあ〜と視線を向けた。
「⁉⁉⁉」
「ん?どうした?」
「あはは、なんでも、ない、よ……。」
あ、危ねえ。声出そうになったわ。もうやめて萩原さん死んじゃう。なんなの、あの無駄にキラキラオーラを漂わせた二人⁇慌てて両手で顔を覆いながら、指の間にほんの少しの隙間を空けて伊達の背後を恐る恐る見つめる。ドアから入ってきた二人組はスタッフさんと話をしていた。まずは松田。いつも通りサングラス掛けてるけど、お前、その黒い高そうなジャケットどう見ても隣の従兄弟とお揃いだよね⁉インナーは白いシャツで、黒のスキニーパンツとかいうシンプルながらもスマートな格好めちゃくちゃ似合ってますね⁇違和感が完全に仕事を放棄していて、既に虫の息なんだけど。そんな松田の隣に並んだにこにこ顔の旭ちゃんは、ジャケットの下にグレンチェックのタイトなワンピースを着ている。ふくらはぎ半ばまでの丈が細長い足を綺麗に見せていて、思わず見入ってしまうくらい。胸までのゆるふわな黒髪はサイドに流されてるし、履いているピンヒールは初めて見た。旭ちゃんはすらっと背が高いけど松田よりは小さいし、ヒールを履いても良い感じの身長差。最早そのバランスすら美しい。しかも!松田の腕に旭ちゃんの手が添えられてるように見えるんだけど‼あまりにも可愛さが天元突破してるわ。なんだよあれ。これで男の子⁉無理すぎない⁉無理!無理です‼俺のこの気持ちをどうしたら良いか全然分からないんだけど!隣のテーブルに座っている二人組のお姉さんがあのカップル素敵って溜息ついてるよ⁉それだけじゃない。店全体が心なしかざわりとし始めていて。そんな空気をさすがに感じ取ってか、伊達が振り返った。ちょ、待って伊達‼見ちゃダメ!ダメだ〜!と慌てたものの、伊達はすぐに体の向きを直してほくほくと目を細めている。
「すごいお似合いのカップルだなあ、芸能人か?」
「……あは、……うんうん、そうだねえ。お忍びかも。」
そうだね‼間違いなくお忍びで来た俺たちの同期だよ‼あれ、松田とその従兄弟だから‼お前もめちゃくちゃ知ってる奴だよ‼心の中の萩原研二がかつてないほどの大声と勢いで叫んでいる。頼む、俺!鎮まってくれ〜〜‼でも分かる。普段の松田あんなにキラキラオーラ出てないもん。分かる。あれもうほぼ別人だよ。見た目そのまままで、中身だけ知らない奴に入れ変わってたりする⁇
「まあまあ、このお肉美味しいよ。いっぱい食べなよ。」
「お、そうだな。温かいうちに食べよう。」
料理の提供スピードも文句なしだから、本当に良い店なんだよお。テーブルに並んだお皿を目の前に移動させれば顔が喜んでるからそっと微笑む。うんうん、どれも美味しいから食べててね。俺は俺でカップル席に案内されていく松田たちを横目でバッチリ見ている。ああ〜〜旭ちゃんめちゃくちゃ喜んでるなあ。ほんと可愛い。そういえばふと音信不通になった同期の中で、俺の顔って本当に可愛いだろ?ってドヤ顔する奴とうちのゼロくんこんなに顔が可愛いでしょう⁇って笑う奴が居たなと思い出す。アイツはダメだな。あざといが過ぎる。旭ちゃんのあざとさの欠片もない純真な可愛さを目の当たりにして悔い改めるべき。といっても、あいつらが今どこで何やってるのかは分からないけど。そんなことは隅に追いやって、サングラス外した松田の顔すごい優しいんけど⁉なにあれ⁉誰⁉
席に座って、興奮気味の旭ちゃんが夜景を指差して物凄くにこにこしてる。そして頷きながら旭ちゃんの頭を撫でる松田。どこからどう見ても、あそこにはドロドロに甘い砂糖漬けの付き合いたてカップルみたいな空気があります。間違いありません。はあ〜〜〜〜〜無理。こんなんずっと見続けるの⁉無理じゃない⁉誰?こんな監視業務思いついたの⁉俺〜〜〜‼ほんと俺のバカ‼なんとなく今までも思ってきたけどさあ、松田アイツ‼旭ちゃんに過保護とかそんなレベルじゃないよね⁉アイツいつからこんななの⁉天元突破どころの話じゃないよ⁉旭ちゃん一緒に住んでて大丈夫⁇うわ〜〜、考えたら心配になってきた〜〜〜。思わず両手で顔を覆えば、伊達が心配そうに大丈夫か?と聞いてきた。うん、大丈夫、頑張る俺。そ、そうか…無理するなよ?話くらいなら聞くからな?ありがとう伊達‼話したいけど話せないの辛い‼分かち合いたい‼誰か〜〜〜〜‼お、これも美味いな!と喜ぶ伊達の奥に見える松田たちは、本日のメインイベントである旭ちゃんお酒デビューの儀を執り行っているようだった。なんかクソ可愛いカクテルみたいなのを一口飲んで、こてりと首を傾げながら頷いているように見える。そっかあ、美味しかったんだね。良かった良かった。萩原さんも感慨深いです。ああ、松田、いちいち頭撫でなくて良いから。ん?旭ちゃんが持ってるカクテルで間接キスして?ん?待て待て、後頭部を引き寄せてデコチューなんてするんじゃない‼松田‼ちゅーはダメって言ったでしょ‼心なしか旭ちゃんが照れたようにはにかんで笑ってて、こら!だから!ほっぺでもちゅーはダメだって‼ああ〜〜〜〜〜〜。松田と旭ちゃんのこと見てるとただのカップルにしか見えない………。隣のテーブルのお姉さんたちはさっきまでうっとりしてたのに、今じゃあそこのカップルくそ可愛いんだけど⁉って半ギレになってる。俺もお姉さんたちみたいに何も知らない人になりたい。今すぐ記憶喪失になりたい。なれないなら八つ当たりであのくそ可愛いカップルの美少女、男の子なんですよ⁉見えます⁉って言いたい。言いたい…………。
伊達の彼女さんとのあれこれを聞いていたら、突然照明が暗くなった。ん?なんだ?ってついつい職業病みたいな感じで周囲の状況を窺っていれば、店内の音響からハッピーバースデー流れてきた………⁇そしてスタッフさんの手で運ばれてくる蝋燭の灯ったケーキで察する。……待って。確かに言ったよ⁇此処のお店、バースデーサプライズもしてくれるって俺言ったよ⁇でもさあ、ネタで言ったんだよ⁇あの松田がバースデーサプライズなんてするとは夢にも思わないじゃん⁇ああ〜〜〜ケーキ運ばれていくわ!店内のお客さんの視線という視線を集めておきながら、二人の世界に入りすぎて全く気づいてないあのカップル席まで迷うことなく運ばれていくわ‼最初はなに?どうした?って戸惑ってたお客さんたちも、きらきらに目を輝かせた旭ちゃんの顔見たら、あっ察しみたいな顔して歌い始めたよ⁉店中で大合唱だよ⁉伊達もにこにこで歌ってるし、隣のお姉さんたち泣きながら歌ってるよ⁉クソ〜〜〜無理だろ⁉笑い堪えるの大変なんだけど‼思わずテーブルに突っ伏して笑いで攣りそうになるお腹押さえるので必死なんだけど‼爆処班もびっくりの爆心地かな⁇くそ〜〜〜誰かとこの気持ち分かち合いたいよお〜〜〜〜〜。おめでとうー!お幸せになー!なんて声があちこちから聞こえて、盛大な拍手の中心に居る松田たちをどうにか見ると、旭ちゃんが感激のあまりに松田にぎゅうぎゅう抱き着いていた。ああ……可愛いね。松田の顔すごい爽やかな微笑みなんだけど。抱き寄せて頭ぽんぽんとかしてた…。萩原さんは笑いを堪えすぎて本当に死んでしまいます。拍手をやめた伊達がほくほく顔で体の位置を直している。
「いやあ、見てるだけで微笑ましいな」
「あは……うん、……そう、だね………。」
「ん?大丈夫か?」
「伊達、今日は本当にありがとね。お疲れ」
「いや、こちらこそ良いものも見れたしありがとな!」
「うん……伊達はずっとそのままで居てね……。」
「お、おう…?」