たびたび同じ夢を見る。まだ皆と同じ身長でいられたぐらいのときの昔の記憶だ。季節は覚えていないけれど、時間は日が沈む頃。小太郎と晋助が前で、隣は銀時が歩いているところからその夢は大体始まった。なんてことはないやつで、晋助がお前なんか女じゃねえと悪態をついてきて、それにわたしはいつものようにチビの一点張りで応戦する。しばらく小太郎がよくわからない世界観でとりなそうとしてきて更に収集がつかなくなると、困るやら腹が立つやらでもう冷静ではいられない。

「ほんと口汚えな、ゼッテーお前行き遅れってやつになるわ」
「はー?余計なお世話ー」
「ホント可愛くねー」
「うるさいチビ」
「あ?そういうとこだっつってんだろブス」

「・・・いいもん、そーなったら銀時に貰ってもらうし」

口をついて勝手に飛び出たことばに自分でもビックリしたが、銀時のほうも豆鉄砲を食らったような顔をしていた。それを見てさらに心臓はうるさくなって、慌てて顔を背けてなんでもない風を装ってしばらく歩いた。銀時は何も喋らない。晋助や小太郎が何を言ってるかなんてもう意識の外、わたしといえば驚きが恥ずかしさに、そこからゆっくり絶望にグラデーションしてゆく心臓の軋みに顔を歪めていた。ああ、言わなきゃ良かった。後悔と深く手を繋ぎながら、それでもこっそり銀時のほうを振り返った。

燃えるような西日と同じ色の瞳が重なって、思わず眩しいと目をギュッと瞑る。そうしていつも、唐突に夢は終わった。


「・・・あ、」

夢から追い出されて、靄がかかったような意識の隅っこに機械的なアナウンスが通り過ぎる。地球、江戸、ターミナルに到着いたしました。なんとか耳が拾い取った言葉に誘われて、横の小窓から景色を覗いてみた。懐かしい記憶と重なるのは地球特有の青い空ぐらいのものだけど、そこにもたくさんの宇宙船が飛び交っている。ただいま、と口の中で小さく呟いてみたけれど全然実感がわかなかった。10年のブランクは、なかなかでかい。

-meteo-