出立前。

「あっ、あの!!スミマセン!!!」

ザワザワと、海兵たちのどよめきが聞こえてたと思って振り返ればそこには箒に乗ったなまえの姿。まだ御しきれてないのか、ふらふらと頼りない。青キジが慌てて側により、胸で受け止めた。

「ナイスキャッチ、です。いつもすみまません」
「それは言わない約束でしょ。って、こんなとこ、何しに来たの」

そうだった!と目を大きく開いて、なまえは青キジの腕から飛び出した。その行き先は、赤犬と黄猿の元。二人は怪訝な顔で見合わせた。邪険、と言えないまでも彼女に余りいい扱いはしてない自分たちに一体何の用があるのだろう。

「クザンさんに、聞いたんです。能力者は、海に嫌われてしまうって」

「オォ〜、そうだけどねェ」
「それがどうしたっちゅうんじゃ」

「Impervius、防水せよ」

特に何かされたような感じはない。訝しむ二人になまえは慌てて説明をした。今かけたのは防水呪文であって、海に出ると聞いていてもたってもいられなかったこと。強いのは知っているけれど、もしものことがあったらと思うと我慢できなかった、と。

「おつるさんが、わたしに出来ることをすればいいと言っていたので・・・おふたりに何かあれば、クザンさんやセンゴクさん、それに海軍の皆さんが悲しみますので」

出過ぎた真似、スイマセン。眉を下げて微笑んだなまえに、中年たちは深くにも心を打たれた。それからじわりと襲いかかる罪悪感。恐る恐る、ふたりはなまえの頭を慎重に撫でる。

「オォ〜、ありがとねェ」
「・・・、助かった」

「も、もっとたくさんの人の役に立てるように頑張ります!おふたりとも、気を付けてくださいね」

戦闘前、ほんわかとしたムードに心が安らぐ大将ふたりとそれを見て和む後ろに控える部下たち、の中でひとりムスッと不機嫌まるだしで突っ立ってる大男がひとり。もちろん、青キジその人である。

「ねぇなまえ!?!俺は!?!?」

「??クザンさんって氷だからお水大丈夫なんじゃ、」
「ない!!ない!!!全然ダメ!!!だから俺にも、」
「アイツはええんじゃ、放っておけ」
「そーだよォ、なまえちゃんも見ただろ〜?海凍らせちゃうんだからねェクザンは」

「いやいやオッサン達何適当なこと言ってんの!?!」

(この日から仲良くなりました)

-meteo-