「すみません、寮までお願いしちゃって」
「いいのいいの。ウチ近いんだし。女の子一人でこの量は大変だって」
「たまたまみんな出払ってたので・・・」

仕事帰りにスーパーに寄ったら近所の劇団の監督に遭遇。
いつもは誰かしらついてるのに、今日は一人でいるようだ。
ふと彼女が押していたカートを見ると、上下に乗った籠にはびっしりと詰まっていて・・・
あまりにもこれは可哀想すぎるので、手伝う!と言って自分の買い物は後回しにした。

「よくもまぁ、この量を一人で行けると思ったね」
「最初はこのエコバック程度だと思ってたんですけど・・・。
あれもない、これもないなって追加していったらいつの間にか」
「あ〜〜〜それは分かる・・・けどこれは、車モンでしょ」
「・・・エヘッ」
「んもぉ・・・ほら貸して?そっち持「それは俺が持つよ」

いづみちゃんの手にあった重そうな方の袋を持とうと手を差し出したところ、
ブラウンの袖が伸びてその袋を攫った。
ふと顔を上げれば意外な人だった。

「至さん!おかえりなさい!」
「はいただいま。っていうか、何その「スマホより重いもの持つんだ」みたいな目線」
「・・・」
「ねぇ俺の事なんだと思ってんの?」
「インチキエリート」
「幸と同じこと言わないで」

そりゃそうでしょう。
ビジネスマン茅ヶ崎とOFFモード(というか廃人)チガサキを見てしまえば。

「ホントによくこの量持って歩いて帰ろうとしたね・・・」
「でも、至さんが来てくれて助かりました。」
「丁度お供を切らしてたから、寄ろうと思ってね。・・・よし、これで全部?」
「はい!」

大きな袋を至の車に載せ、トランクを閉める。
並べて改めて知る、量の多さに唖然としてしまった。
大所帯は大変だなぁ。

「何ボーっとしてるの。置いてくよ?」
「え、私はいいよ。寮の人間でもないんだし」
「ご近所さんでしょ。付き合い大切。ほら早く」
「●●さん、一緒に帰りましょ!私の車じゃないんですけど」
「じゃあ・・・お言葉に甘えて。」


お買い物

部屋汚いのに、車の中は綺麗なんだ