はじめてのお留守番


「……つーわけで、今日は優を連れて行けねェ。だから優はお留守番だ。」
「優、おるすばんがんばるよ!」
「よし……いいな? 誰が来ても開けるんじゃねェぞ? 樹久なら合鍵持ってるから勝手に入って来るはずだ。わかったな?」
「うん! わかった!」
「じゃあ行ってくる。良い子にしてろよ?」
「うん! いってらっしゃい!」

◇◇◇

 そんなやり取りがあってから一時間が経った。初めて一人で留守番をするため、やはり心細い。優はテレビと家中の電気をつけ、リビングの片隅でぬいぐるみの真ちゃんと一緒にうずくまっていた。
 突然、ガチャガチャッ、カチンッという玄関の鍵が開く音が響く。びくっと肩が跳ね、近づく足音に体を強張らせ、誰が入って来たのだろうかと身構えていると、リビングの扉が開き、ある男が入って来た。

「優ちゃーん、良い子にしてたかー?」

 ロリコン……いや、自称優の将来の旦那である、樹久だった。
 自称優の将来の旦那、の最後に(仮)が付くことも忘れずに。

「きっちゃん!」

 入って来たのが樹久だとわかるやいなや、優は樹久の元へ駆け寄りそのまま腰に抱きついた。樹久は、そんな優の頭を、よしよしと言いながら優しく撫でてやる。

「相変わらず優ちゃんってば可愛いなぁ……ホントにもう嫁にしたい」
「きっちゃん! 優、いっぱいひとりでおるすばんしてたんだよ!」

 瞳をキラキラと輝かせ、自信満々に言った。

「えらいえらい。今からはお兄さんと一緒にお留守番してよーな。あ、そうだ! ご褒美にお兄さんがチューしてやろうか?」
「ちゅー?」

 樹久が口を尖らせると、優は同じように真似をしながら首を傾げる。

(可愛いなチクショー!!)




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