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会議では、地球までの案内をオルクス商会というトドの知り合いに頼めたということ、報酬の45%を案内料として支払うということが決定し、地球行きのメンバーも選ばなくてはいけないという話になった。また、地球へは行かず火星に残る者は、今まで通り農園の手伝いとこの間獲た戦利品の売却を行うことになるそうだ。オルガは、クーデリアを地球まで送り届けることで金銭だけでなく今後の鉄華団の将来が関わってくると話していた。この仕事が上手くいけば鉄華団の名が売れ、まともな仕事、まともな生活が送れるようになると。話が終わり、昼食をとるべく食堂へ向かう途中もオルガは皆に少しでもまともな生活を送ってもらいたいと話してくれた。その意思の強さは彼しか持ち得ないだろう。

『ミカどうしたの?』

オルガ達と別れ、三日月と席を探していた。立ち止まった彼の視線の先では、クーデリアとその従者の方が食事をしている。だがその表情は暗く、あまり良くはなさそうだ。

「また難しそうな顔してんね」
「三日月、シアンさん...」
『ご飯お口に合いませんでした?』
「いえ!とても美味しいです!」

クーデリアは予想外の質問だったのか慌てたように両手を振って否定している。

「あのさ、昼飯食ったら出掛けるんだけど、良かったらアンタも来ないか?」
「え?」
『あ、もしかしてサクラちゃん所?』
「そう。シアンは勿論行くでしょ」
『うーん...』

まだ終わって無い作業があるんだがどうすべきか。ひとまず昼食をとりながら考えることにした。カウンターでスープを受け取り、近場で空いていたテーブル席に腰を下ろした。

『ご飯美味しいね』
「うん、けどアトラの作ったやつの方が旨い」
『まあね』

アトラの作る料理は本当に美味しいので納得できる。目の前に置いてあったおかずを口にしても確かに美味しいのだが、三日月じゃないけれどアトラの作る料理の方が良いなあと思ってしまう。目の前で先にスープを食べ終えた三日月は、おもむろに火星ヤシを取り出して食べ始めた。

『ミカってさ』
「何?」
『いつも火星ヤシ食べてるじゃん?寝る前とかにポケットに補充してるってことだよね』

いつ見ても同じ場所からずっと火星ヤシを取り出しているので、まさか無限に出てくるわけじゃないよなと思っていた。ただ、ちゃんと食べた分を三日月が補充している姿を想像すると、なんだか笑えてしまう。実際、今考えていたことが顔に出ていたのか、どうして笑っているんだと聞かれた。

『ミカがちゃんと自分で火星ヤシを補充してるとこ想像してたら面白くなってきちゃって』
「別に面白くはないと思うけど」
『じゃあ可愛らしい』
「そういうのいらないから」
『え、あー!ちょっとミカ!火星ヤシをスープに入れないでよ!もう!しかもすごいいっぱい!』

どうやら三日月の機嫌を損ねてしまったらしく、あと少しだったスープはほぼ火星ヤシに変わってしまったのだった。