黒子くんに進学の話をされてからしばらくして、卒業式の日がやって来た


帝光中での日々は、長かったような、短かったような…


紫原くんとも、最初に会話した一回きりだし、バスケ部には黒子くん以外に記憶にはのこっていないはずだ(私の差し入れ以外)


…高校も、私はバスケ部に関わるつもりはない


まぁ、差し入れは作るかもだけど


そんなことを考えながら、卒業式を終え、私は1人教室でたそがれていた


すると、扉を開けて入ってきた人物がいた


…ガララ


「ここにいたんですか」


『…あれ?黒子くん。バスケ部のみんなはいいの?』


…そう、黒子くんだった


「ええ、少し抜けてくると伝えたので」


『そうなんだ、何か用事でもあった?』


窓辺から黒子くんを近づく


黒子くんも私に近づく


「…その」


黒子くんが珍しく口ごもる


『…?どうしたの?』


私は首をかしげる


「…っ、これ、」


そう言うが早いか、黒子くんは私に何かを握らせると


「…僕が取りに行くまで、持っていてください」


そう言ってかけていった


『…ボタン…』



 



桜色の思い出

(まさか第2ではないかもしれないけど男子の制服のボタンをもらえる日が来るとは…)