雨の降る日だった


私は、何時も通りバスケ部に差し入れを作り、授業を受けていたとき


ガラララッ


「江藤はいるか!?」


「おや、どうかしましたか?」


『先生…?』


他の教科の担任の先生が、血相を変えて私達の教室へと入ってきた


「お前の両親が、事故に遭った」


ードクンッ


それからわたしはタクシーで病院に向かい、気がついたら、病院の病室にいて、二人の遺体が布を掛けられていた


『…っ』


私は、何も…恩返し出来てないのに


なんで…こんなに早くいなくなっちゃうの…?


私は悔しさのあまり手を握りしめた


涙は流れなかった











翌朝、私は何時も通り通学する


何時も通り時間は流れ、放課後…


『…あれ、黒子くん?』


「おはようございます、江藤さん」


『どうして…部活は?』


「少しだけ時間をもらいました。君はちょっとした有名人なので、…昨日のことも…」


『…うん』


どうやら、昨日のことを心配してきてくれたらしい


「少し歩きましょう」


『え?どこへ?』


「いいから、ついてきてください」


私は黒子くんに手を引かれた










連れてこられたのは、中庭


『どうして中庭に…』


大きな木の下で立ち止まると、黒子くんは言う


「木を見上げてみてください」


『え?…わぁ…』


木の下から空を見上げると、木漏れ日がちょうどいい感じに差し込んで、とても綺麗だった


「どうですか?嫌なこと、少しは忘れられるでしょう?」


『…!黒子くん…。…ありがとう』


涙目でふにゃりと笑った


黒子くんも笑ってくれた



両親が亡くなった日

(悲しかったけど、友達に元気付けられた日)