『…ん………!…あれ…?』


気がつくと、目の前に部室の白い天井が写った。


『…わたし、いったい…』


すると、綺麗なアルトボイスが響く。


「あぁ、気がついたのかい?」


『!、ゆきむら、せんぱい…』


ここは保健室らしい。


私が起きたのを見てほほえむと、扉に向かって呼びかける。


「みんな!入ってきていいよ!」


すると、がらりと扉が開いて、赤也が駆け寄ってきた。


「よかった!目が覚めて…!」


赤也は涙まで流しそうな勢いである。


私はまだ状況が把握しきれてなくて。


『あの、いったいなにが…』


そう問い掛けた私に、柳生先輩がこたえる。


「おや、覚えていないのですか?」


『はい…』


「ドリンクを運んでる途中で倒れちゃったんだよ。全く、無理する子だね」


幸村先輩が苦笑しながら私の頭をなでて言う。


『ご、ごめんなさい…』


「ここまで運んだのは精市だ。礼を言うのを忘れるな」


『はい!幸村先輩、ありがとうございました!』


ガバッと頭を下げる。


するとさっきの余韻かふらついてしまって。


そこを幸村先輩にまた支えられた。


「全く、江藤さんは俺がついてないとダメみたいだね」


と笑われる始末。


まぁ、イヤでは無かったけれど…


「いいかい、これから、すべてにおいて江藤さんの守りを優先すること。江藤さんも、なにかあったら必ず俺達に連絡すること。いいかい?」


「「「「「「「「あぁ/はいッス!」」」」」」」」


『え?でもそれじゃみなさんの部活の時間が…!』


「なに言ってるの?仲間を守ることを優先してなにが悪いんだい?」


『…!』


「…江藤さん、君はもう俺達の仲間なんだよ?」


遠慮なんかしないで


そう優しくいわれて、私の涙腺は崩壊した。










大声をあげるでもなく、わめくでもなく、ただただ泣いた。


みんなは、優しく見守ってくれていた。








仲間入り

(わたしも、なかま…!)