「それじゃあみんなは着替えてきていいよ。俺は念のためここで江藤さんを見てる。何かあったら困るからね」


「わかりました」


「はいッス!」


「その後は、赤也以外は解散、俺と赤也で江藤さんを家まで送り届けよう」


そう言った俺に、赤也が反論する。


「俺1人でもみのりを送って帰れるッスよ?」


「念のためだよ。まだマネージャーになりたてだし、倒れたばかりだし。赤也は血の気が多いからね」


「精市がストッパーということか?」


「あぁ」


蓮二の言葉に肯定すると、赤也は気まずそうに口ごもった。


「わかったらほら、早く着替えて来て!」


「はいッス!」


江藤さんは困ったように笑ってるだけだった。








しばらくして、赤也が着替え終わったらしく
荷物を持ってやってきた。


「じゃあ赤也、俺も着替えてくるから江藤さんのことちゃんと見てるんだよ?」


「わかってるッス!」




赤也side


幸村部長が部室に着替えに行ってから数分。


俺はみのりとたあいもない話をしていた。


テニス部についてだとか、今日のマネージャー仕事を皆がほめていたとか。


そしたら、みのりは照れていたけど。


「どうだ?テニス部には馴染めそうか?」


『うん、みんな優しい人ばっかりだし、…女の子たちが惚れちゃう理由もわかる気がするよ…』


なんて悲しそうに微笑んだ。


「みのり…」


俺はなんて声をかけたらいいかわからなかった。


『でもだからこそ、みなさんのために頑張らないと』


「無理はすんなよ!」


今の俺にはそれしか言えなかった



ガラガラ


「お待たせ、江藤さんの荷物も持ってきたから帰ろうか」


『あ、ありがとうございます!』


「あぁ、そんなあわてなくて良いからゆっくり、ね?」


『は、はい…』


申し訳ないと顔に書いてあるみのりを見て部長は笑った





帰ろうか

(無理せずに)