帰り道、私は幸村先輩と赤也に挟まれ並木道を歩く。


「どうだい?マネージャーは慣れそう?」


『…うーん、まだ、なんとも…』


「ふふ、そうだよね。まだ一日めだしね。これからだから、そんなに気にしなくてもいいよ」


幸村先輩が頭を撫でてくれる。


『えへへ…ありがとうございます』


私がほほえむと、幸村先輩も微笑んでくれた


「おいおい、俺のこと忘れるなよ!?」


「あぁ、赤也もいたね」


「酷いっすよ部長!!」


『…ふふ』


赤也と幸村先輩のやり取りに思わず笑ってしまう。


『二人とも仲良しなんですね』


と、笑うと、二人とも複雑そうな顔をした後笑った。


「まぁな!部長はこえーけど、つえーし!俺は部長を倒すんだ!」


「ふふ、楽しみに待ってるよ」


『…赤也の目標なのね』


というと、赤也は


「俺の目標は幸村部長だけじゃねーけどな。真田腹部長と、柳先輩、立海の3強を倒すことだ!」


と意気込む赤也に、思わず和んでしまう。


『ふふ、頑張ってね!』


「おうよ!」


「あれ、江藤さん、俺の応援はしてくれないの?」


『あ、勿論幸村先輩も応援しますよ!』


「なんだって!?」


「ふふ、残念だったね、赤也」


「くそー…、幸村部長ずりーぜ…」


「ふふ」


『??』


二人の会話の意図がわからない私は、頭にはてなマークを浮かべていた。


三人で帰る帰り道は話し声が耐えなくて、あっという間に家に着いてしまった。


『…あ、私の家のここです』


「そうか、今日一日お疲れさま。明日の朝練はいいから、放課後練からよろしく頼む」


『わかりました。よろしくお願いします』


と改めて幸村先輩に頭を下げた。


「こちらこそだよ」


幸村先輩は穏やかに微笑んでいる。


「それじゃあね」


「またな!」


と言って、赤也と幸村先輩は帰っていった。





マネージャー初日、終了

(明日からもがんばろ…)