気になり始める
赤也に連れられてテニスコートに来た私。
赤也は私をテニスコートの中に連れて行こうとするが、すれ違ったクラスメイトに、〈調子こいてんじゃねーよ〉と言われ、それが聞こえた赤也はその子に〈うるせぇ!黙れ!〉と言って余計に私の手を引く力を強めた。
それは私がテニスコートにいくたびに言われる言葉。
それを聞く度に心が痛む。
『…ごめん、赤也。今日も私は外のベンチで見てるね、』
そう言ってかなしげに笑い、私は赤也の手から私の手を引き抜き、赤也が何か叫ぶのを気にしながら後ろ髪を引かれる気分でベンチに向かった。
…それを、幸村先輩に見られているとも知らずに。
幸村side
赤也がテニスコートに来る。
よく抱きついている女の子の手を引きながら。
しかし女の子が何か言われたのか、赤也は彼女を守るように彼女の前に立ち、何かを叫んでか
らまたこっちに向かってきた。
それなのに、彼女はいつもと同じ様に赤也から離れ、ベンチに座った。
俺は何故か彼女が気になり、赤也に聞いてみることにした。
「…やぁ、赤也」
「おわっ!?ゆ、幸村部長!?」
「今日も彼女と来たみたいだね、彼女は…」
「あぁ、みのりッスか?彼奴は江藤みのり、俺の幼なじみッス!」
「江藤さんか…それで、いつものことだけど、なんで江藤さんはコートに来ないんだい?」
「いつものことだけど、って…!部長、みのりのこと知ってたんスか!?」
「あぁ、まぁね。…それで、何でなんだい?」
「あぁ、それが…」
そして、赤也から江藤さんがいじめられていることを聞いた。
「そうだったのか…」
江藤さんは、それでも人を嫌いになれないのだと赤也は言った。
このときからだ、余計に彼女が気になり始めたのは。
気になり始める
(江藤さん…一体どんな子なんだろう…)
赤也は私をテニスコートの中に連れて行こうとするが、すれ違ったクラスメイトに、〈調子こいてんじゃねーよ〉と言われ、それが聞こえた赤也はその子に〈うるせぇ!黙れ!〉と言って余計に私の手を引く力を強めた。
それは私がテニスコートにいくたびに言われる言葉。
それを聞く度に心が痛む。
『…ごめん、赤也。今日も私は外のベンチで見てるね、』
そう言ってかなしげに笑い、私は赤也の手から私の手を引き抜き、赤也が何か叫ぶのを気にしながら後ろ髪を引かれる気分でベンチに向かった。
…それを、幸村先輩に見られているとも知らずに。
幸村side
赤也がテニスコートに来る。
よく抱きついている女の子の手を引きながら。
しかし女の子が何か言われたのか、赤也は彼女を守るように彼女の前に立ち、何かを叫んでか
らまたこっちに向かってきた。
それなのに、彼女はいつもと同じ様に赤也から離れ、ベンチに座った。
俺は何故か彼女が気になり、赤也に聞いてみることにした。
「…やぁ、赤也」
「おわっ!?ゆ、幸村部長!?」
「今日も彼女と来たみたいだね、彼女は…」
「あぁ、みのりッスか?彼奴は江藤みのり、俺の幼なじみッス!」
「江藤さんか…それで、いつものことだけど、なんで江藤さんはコートに来ないんだい?」
「いつものことだけど、って…!部長、みのりのこと知ってたんスか!?」
「あぁ、まぁね。…それで、何でなんだい?」
「あぁ、それが…」
そして、赤也から江藤さんがいじめられていることを聞いた。
「そうだったのか…」
江藤さんは、それでも人を嫌いになれないのだと赤也は言った。
このときからだ、余計に彼女が気になり始めたのは。
気になり始める
(江藤さん…一体どんな子なんだろう…)