赤也side


今日は部活のあとにR陣で部会があった。


「今日の議題は、マネージャーについてだ」


幸村部長が言う。


「む、マネージャーか?」


「精市、マネージャーは取らないはずじゃないのか?」


真田副部長、柳先輩の順に幸村部長に言う。


「このまま夏に入ると、マネージャー業で練習が邪魔されて、大会に支障を来すだろう?丁度、マネージャーをやってくれそうな子に心当たりが出来たからね。」


そう言って幸村部長は俺の方を見る。


それに吊られて、先輩達も俺を見る。


「は!?俺ッスか!?」


「赤也、君の幼なじみの江藤さん、彼女なら、ミーハーじゃないし、寧ろちゃんと仕事をしてくれるだろう?」


「あぁ…ってそうじゃないッス!!幸村部長は知ってるッスよね!?みのりが…!」


「ほう…江藤みのりと言うのか。」


柳先輩の言葉にハッとなる。


しまった…!


「そうだよ、連二。」


慌てる俺の考えがわかっているのが、落ち着いて言う。


「赤也、確かに彼女にマネージャーをしてもらえば、余計に彼女達の江藤さんに対する態度は酷くなるかもしれない。自慢じゃないけど、俺達はモテるからね。…でも、いつまでも殻に籠もってばかりじゃ、江藤さんは成長出来ない。それは赤也が一番分かっているだろう?



幸村部長の言葉に、俺は大好きなみのりの優しい笑顔を思い出す。


「…それに、今まで同様、彼女のことを守ればいいじゃないか。勿論、俺達も彼女を守る。…どうだい?」


先輩の言葉に、俺は覚悟を決める。


そうだ、今までも、これからも、俺はみのりを守るだけだ。


「…決心してくれたようだね、じゃあ赤也、江藤さんの家の電話番号教えてくれるかい?」


「は!?なんでッスか!?」


「マネージャーのお誘いは、部長である俺がするのが妥当だと思うけど。」


そう言って黒いオーラを出す幸村部長に負け、俺はみのりの家の電話番号を教えた。





幸村side


江藤さんをマネージャーに誘ったのは、俺が江藤さんと話せるキッカケが欲しかったのと、真面目にこれからのことを考えたからだった。


赤也から彼女の家の電話番号を聞き出した時は、やったと思った。


これで、江藤さんと話せる。






幸村の策略

(彼女に対するこの気持ちは、一体なんなんだろう…)