5.

いよいよ今日の予報を彼女に伝える、打ち合わせ。
……彼女だけではなく、編集担当の方もいらっしゃるのですが。
世の中、そう上手くいきませんよね。

全国的に晴れなのですが、各地域の細かな情報も伝えていきます。
蒸し暑いこの時期、局地的な大雨も考えられますからね。
予報は難しいですが、危険性のある場所をお話します。
僕たちのいるテレビ局のある地域は、雲一つない、快晴です。
……まあ、僕は常に折り畳み傘を持っていますが。
この時期は常に湿度が高いので、つい心配になっちゃうんです。
ほら僕、敏感なんで。

「今日はずっと暑いのかあ」

編集担当の方が、気怠そうに言います。
僕らポワルンに比べて、人間は暑さや寒さに弱いです。
どうしようも無いので、こればかりは可哀想としか言いようがありません。

「でも、雨よりいいじゃないですか?」

私、晴れてる方が好きです、と彼女。
この時期に肌を焼いてしまう紫外線を嫌がる女性にしては、珍しいです。
僕が意外そうな顔をしていると、彼女が気付いて続きを話してくれます。

「ああでも、雨も好きですよ! ちょっと涼しくなりますし」

……えーと、つまりは、どんな天気も好きということでしょうか。

「ふふ、僕も一緒です」

そう言うと、彼女がぱっと明るい顔になりました。
お花みたいで、とても可愛いです。

「お花には晴れの日も雨の日も、両方必要ですからね」

そんなことを呟いた僕。
彼女はきょとんとしていました。
でも、その後すぐに

「そうですね! 素敵ですね!」

……なんて言ってくれます。
やっぱり、可愛いです。
僕、重症なのかなあ。

少しおいてけぼりになっていた編集担当の方がゴホンと咳払いをし、それを合図に今日の打ち合わせは終了しました。
なんだか、ごめんなさい。


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