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食事の後、サンソンに連れられてきたのは、場所だけは知ってはいた彼の部屋だった。今朝は否定したきたはずなのに、入ってくださいと招き入れられる。

「さて、マスター。あなたの生い立ちに関しては軽くお聞きしましたが、これまでの食生活についてお聞きしたいことがあります。」
「食生活?栄養はちゃんと摂っていたと思うけど……」
「それは恐らく食堂で述べていたようなゼリー飲料や栄養クッキーのようなものでしょうか。それではきちんとした栄養にはなりません」
「そうなの…?ええと、そう言うものや薬だとかで食事をしてきたから料理というものを知らなくて……」

そう告げた途端に、サンソンの目つきが厳しいものから一瞬戸惑いを見せ、そして厳しさが抜けて真面目な顔つきになった。

「きちんと料理された食事を摂っていなかった…いえ、出来なかったということですね」
「ええと…そう、いうことになるのかな…?料理って自分の目上の人が食べるもの、って感じで…見たことはあったけど名前とかは知らない。必要ないって」
「…なるほど」
「…教えてって言っても教えてもらえなかったから、常識がないんだよね。あは……もっとちゃんと聞いて、ちゃんと学んでおかなきゃならなかったな」
「それは、…仕方がないことです。あなたのせいではありません」

顔を手で覆い、軽くため息を吐く彼を見て、申し訳なさが込み上げてくる。

「…迷惑かけてごめん」
「いえ、違います。そんなことはありません。」

そして少し考え込み、こちらを真っ直ぐ見つめたサンソンは、椅子に座る私の前に跪く。

「恐れ多いですが…あなたが嫌でなければ、僕があなたに、学べなかった一般常識を教えさせていただきます」
「……え、あ……ええと…むしろ、助かります……お願いします……」

そう告げると、サンソンははい、と言い、両手で私の手を丁寧に包み込んだ。

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