私と友人と休日

今日は久々の休日だ。ただ私は特に趣味も無いため、やりたいことなどはない。強いて言うなら寝ることや家事をして過ごすことが多い。
いつも通り家事をこなしてだらだらしていると電話がかかってくる。リオセスリかと思って電話を取ると、数少ない友人からのアフタヌーンティーのお誘いだ。特にやることもないため誘いに乗ることにする。あまり外出することがないため、私服というものをあまり持っていないが、その中でもまだ飾り気のある服を選ぶ。適当に最低限の化粧をして、家を出た。

数少ない友人である彼は、私を見つけると待ち合わせであるカフェのテラス席から大きく手を振る。

「おーいリゼン!こっちだこっち」
「久しぶりね、ロイ。今日は休み?」
「いや、午前の仕事が終わって夕方までの間の長めの休憩時間ってとこだ。いやあ、長い休憩があるのはいいが退勤時間が遅くなるのはあんまりいいもんじゃあねえなあ」
「そっちも大変ね」

彼はいわゆる仕事仲間で、薬品の卸売業者だ。頻繁に医院やメロピデ要塞にも来る為話す機会も多く、歳も近い為自然とよく話すようになった。彼は口が固い…というか、仕事人間な為話す相手がいないのだろう。その為お互いの近況や愚痴をこうして定期的に話しているのだ。

「んで、公爵とは最近どんな感じ?」
「この間告白されたわ。熱烈な愛の告白をね」
「マジ!?うわ〜ついにかあ。んで?お前受けたの?」
「いや、あなたに恋愛感情は抱けないって断ったんだけど、いつか絶対振り向かせて見せる、なんて言ってた」
「はあ〜…あの人の告白を断れるのなんてお前ぐらいだよ」

彼は目を見開いて驚いたり、へらりと笑ったり、コロコロと表情を変える。そして机に肘をついて楽しそうに語り出した。

「俺がなんか手伝ってやろうか?な〜んてな!俺なんかにできることねぇか!」
「別にいいわよ、そんなことしなくて。好きになれたらなってやる、くらいだし…というか、あいつ挑発するような言葉を言ってくるけど、いつもヘラヘラしてるから本気に見えないの」
「へえ、まあそこは何か割と想像できるな…余裕たっぷりって感じの顔」
「多分その想像通りよ。もっと本気で必死になるくらいしてくれないと、万が一にも好きになったりしない」
「そうだな。お前はそういう女だよな…」

うんうんと頷く彼に文句があるのか、とじとりと見ると目を逸らしてあはは、と笑う。彼のこういう軽い態度はたまに鬱陶しくもあるが、楽しそうで明るい姿が一緒にすごしていて楽な理由だ。監獄長の彼とは大違いだな、なんて思いながらぬるくなった紅茶を飲み干す。

「…そうだ、久々に会ったんだし写真撮ろうぜ!ついにこの間買ったんだよ、良いカメラ!」
「へえ、そうなの」
「高かったんだぜ〜?ま、特に取るものもなくて持て余してんだ、一緒に一枚撮ろうぜ!ほらこっち寄って〜はい、笑顔!」

彼の明るい笑顔につられて笑みを浮かべる。カシャ、カシャと2回シャッターを切られると、その場で写真が出てくる。まだ黒い状態で、写真が現れるまで時間がかかるタイプのようだ。彼をそれをひらひらさせながらハッとして腕時計に目をやる。

「あっやべ!そろそろ次の仕事の時間だわ…そろそろ行くかあ…写真は次会う時渡すわ、またな!」
「ん、またね」

席を立ち店にカップの乗ったトレイを返す。
彼のことなんて愛していないのに。なのに、今までその際カウンターの横にある販売スペースにある紅茶缶に目が行く。ふとリオセスリの顔が浮かび、どうせまた無理をしているだろうから、と今まで買ったこともないくせに、手土産なんかを買ってしまった。
気に入ってもらえるだろうか、なんて彼のことを考えながら帰路に着く。、

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