彼への気持ちに整理がついた。彼にその気持ちを正直に伝えるために、医務室ではなくまっすぐに執務室へ向かう。
「おはよう。」
「…ああ。おはよう」
いつもと変わらない笑顔を浮かべるリオセスリ。だがきっと、胸中には罪悪感を抱えているのだろう。それは不要なものだと、彼に伝えなければならない。
「ちょっと話したいことがあるんだけど、いい?」
「あんたの為ならいくらでも時間をとるさ。…で、なんだ?」
「…あなた、私を軽んじたって言ったでしょう?それ、間違ってるわよ
私はあなたに重んじられた覚えはあっても、軽んじられた覚えは一度もない」
「……だが」
「だがじゃない。私が言ってるの。………そして私は、そんなあなたを大切に思ってる」
「……は」
「あなた、私にはっきり口にしたことはないけど、特別な感情を抱いているでしょう、…勘違いだったら恥ずかしいわね、これ
まあいいわ。私はあなたに同じ気持ちは抱けない。けどあなたのことを大切に思ってることを自覚したの。だから…」
次の言葉が出て来ず口を噤んでしまう。私は彼にどうしてほしいんだろう。
そのままでいてくれ?それは私のことを特別に思っている彼に対して酷ではないか?私は彼にどう思われたいのかが、どうにもわからない。
思い悩んでいたその時、彼が椅子を立つ。すると、こちらへ向かってくる。すると、彼はニッと意地の悪い笑顔を浮かべる。そしてぐい、と腰を抱き寄せてきた。
「ああ、あんたが好きだ、ってハッキリ伝えていなかったな。あんたが俺と距離を置きたがっていたからなかなか言えなかったんだ。だがあんたが俺に好意を抱いてるってことがわかった今、そんな気遣い不要だな。
リゼン、あんたが好きだ。愛してる。絶対に振り向かせるから覚悟してろよ。あんたもよく知ってると思うが、俺は一度決めたら諦めない。必ず手に入れて見せる」
今まで口にしなかった好きだ、愛してるだなんて言葉をサラッと吐き出す彼に驚いて何も言えないでいると、突然頬にキスをされる。
「これくらいならいいだろ?親愛のキスだ」
そう言った彼は二度、三度と頬にキスを落とす。徐々に唇に近づくその整った顔を慌てて抑え、騒ぐ胸中をなんとか整える。
「やってみなさいよ。あんたこそ知ってると思うけど、私は頑固だからね」
フッと笑い彼は言う。
「そんなところもひっくるめて、愛してるよ、リゼン」