カツカツカツ。
コツコツコツ。
カツカツカツ。
コツコツコツ。
カツカッーーー、
「もう!!さっきからなんなのよっ、人の後ついてきてっ!」
足を止めて後ろを振り返る。そこにいたのはニコニコと笑顔のバーボン。
完璧な笑顔にイラっとくる。苛立ちしか感じない。
「いえ、別に?」
「なら後をついてこないでよ!目障りっ」
フイっと勢いよくバーボンを視界から外して、先ほどよりも早足で歩き出す。
先ほどよりも早足なのに、後ろではなく今度は横に並んで着いてくるバーボン。
なんか、ものすごくムカつく。
「何をそんなにカリカリしているんです?せっかくの可愛い顔が台無しですよ?」
「貴方が近くにいるからでしょっ!?そう思うならどっか行ってっ」
「別にいいじゃないですか、今日の夜は一緒に仕事なんですから。そうだ仕事前に夕食でも食べに行きますか?」
「それはっ!貴方が勝手にベルモットに私の仕事やらせたからでしょ!そもそも私は「ライ以外と組むつもりはない」
続ける言葉をとられて、言葉に詰まる。
「さすが、ベルモットと同じくあのお方のお気に入りだ。ジンも貴女の我儘には甘いようですね」
「………そういえば、貴方前から何かとライに突っかかってたわよね」
「よく見ているんですね。まあ、ライに関することだから当然と言えば当然ですか」
「……何がしたいの?貴方…」
睨み付けるものの、バーボンはただニコニコ笑っているだけで動じない。
そんなバーボンに少し恐怖を感じて、一歩後退そうとしたけどそれよりも早くーー、
「きゃっ」
腕を掴まれて、強くバーボンの腕の中へと引き寄せられた次の瞬間。
首筋にチクリと鈍い痛みを感じたと共に聞こえたのは、
僕、彼奴から君を奪いたいんです
title.確かに恋だった
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