※口悪ヒロイン注意
※甘党な執事続編
「おはよーございます、朝ですよ。起きやがれクソ野郎」
「…」
「3秒以内に目ぇ開けねェとその天パ燃やしてやるからな」
「…あのさ、俺が求めてるのはそんな凶暴なメイドじゃねーんだけど」
朝、いつもなら執事の銀時が私を起こすはずなんだけど今日は違った。不本意ながら昨日暇つぶしにやったババ抜きに負けてしまったせいだ。罰ゲームとして今日1日勝った方の言うことを聞くというもの。そして律儀にも私はこうしてメイド服(銀時がもってた)を着て起こしてやっているというのに。
「メイドっつーのはさァ、もっとこう女らしくて謙虚でフワッとした感じなわけよ。んで俺のことはご主人様ね。ほら、言ってみ」
「無理」
「無理じゃねー、人間その気になれば何だって出来るんだよ」
「出来ねーよ」
「しゃーねーなァ、じゃあ百歩譲って俺の事はお兄様と呼びなさい」
父さん、母さん。早く帰ってきてください。こんな変態執事と二人きりじゃ、ろくな生活できねーよ。一人妄想の淵にいるバカ執事を無視して、部屋を出ようとドアに向かう。こんなことやってられるか!こんなダメでエロでダメな執事のくだらない妄想に付き合ってるくらいなら部屋で絨毯の繊維数えた方がよっぽど有意義だっつーの。
「ちょっと待てよ、メイドさん」
「ぎゃー、セクハラ!」
「メイドが仕事放棄しちゃダメでしょ」
「執事は放棄してもいいんですかー!」
「今は執事じゃねーもん」
後ろから抱きしめられている状態に一瞬胸がドキリとする。何してくれてんだ、このクソ野郎め。これでも嫁入り前の清らかな乙女なんだぞ!セクハラで訴えてやろうか!と言えば、あの憎たらしい執事は全く悪びれる様子もなく言い放った。
「これはセクハラじゃありませんー、メイドさんとのコミュニケーションを図るスキンシップですぅー、いわゆる愛情表現なんですぅ」
「何がスキンシップ!?マジ離せよコノヤロー!てめっ絶対ェ訴えてやるかんな!」
「メイドがそんな口悪くちゃダメだろーが」
いや、メイドじゃねーよ!これでもこの家の箱入り娘やってんだよ!今はちょっとした間違いでこんなヒラヒラフワフワの服着て変態執事にセクハラを受けているけど…私の方が立場上だから!
「やーめーろーやー!このままじゃ大切な何かを見失ってしまう気がする」
「そんな嫌がってるけど実はドキドキしちゃってんだろ?嫌よ嫌よも好きのうちってな」
「ち、違うもん、嫌なもんは嫌なの!」
「はいはい、そんな真っ赤な顔して言われても説得力ねーよ。ホラご主人様って言ってみ?」
「無理」
これは照れてるとかじゃない!恥ずかしいだけだ絶対。好きとかじゃない、絶対!だから、この胸のドキドキはきっと気のせい。
変態な執事
(ご主人様って言うまで離してやんねーから)(……じゃあ、言わない)(え、ちょ…それって!マジでか)
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