「ホントにバカでィ、お前」
「う…自覚してます」

縮こまる私なんてものともせず、幼なじみの総悟はウェイターに抹茶アイス追加で、と告げた。かしこまりました、と遠ざかる足音に涙がでそうになった。私のお小遣いは確実に三分の二は総悟の胃に消えてしまったに違いない。だって今目の前には総悟が平らげた分のお皿が残っているわけで。ファミレスだから値段は学生にとって優しいものだけど、塵も積もれば山となるように500円が三品で1500円になるようにSっ気のある総悟はちまちまとそれくらいの品をジワジワと頼むのだ。そして伝票を見て青くなる私にニヤリと笑う。それはそれは楽しそうに。何て意地の悪い男なんだ、と内心呟いてみたところで総悟には勝てないので諦めて手元に集中した。そうだ、私は早くノートを写さなければ。明日提出の日本史のノートをせっせと写していく。先生は文とかじゃなくて絵を中心にする人だから、楽っちゃあ楽だ。適当でも何でもポイントさえ押さえていればそれでオーケー。あんまり得意ではないけれど、今まで放置していた私が悪いのだから仕方ない。

「あのさ…見せて貰ってる分際で悪いとは思うんだけどさ…」
「何でィ?」
「何コレ?どこ写せば…」
「すいやせーん、ティラ…」
「ごめん、嘘です。すいません」

渋々作業を再開。総悟は意外にも真面目に板書している。…最初は。恐らく開始10分後くらいまでは普通だ。それからしばらくすると絵が、マヨネーズを持ち始める。いや、こんな人物いたか…?心なしか土方くんに似ているような気がしてきたんだけど。とりあえず自分のノートにはマヨネーズは描かなかった。それから先、やっぱりみんなマヨネーズを持っていて、しかも暗殺方法とか土方くんの個人情報が細かく書き込まれている。コレ、何の教科だよ?もはや歴史関係ねーよ。写せるとこだけ写そうとページを捲っていけば、珍しく女の人の絵があった。上手とは言えないその絵にも詳細が書き込まれている。頭が弱い。ペチャパイ。ガサツ。顔は普通。鈍感。何だこの言われようは。一体誰なんだ、この絵の人物は。そう思いやたらと書き込まれている詳細に目を通せば……俺の幼なじみ。と言う文字を見つけた。え、これってもしかして私?こんな良いとこナシなの、私って。

「ちょ、コレ私?舐めてんの?」
「思ったまんまをかいたんだけどねィ、俺的にはクリソツ…」
「ふざけんな、私もっと可愛いわ!これでも2回告られてんだからね!」
「あ、俺7回」

しれっと言い返されて反論出来なくなる。確かに昔からモテモテだったよ総悟は。だけど一度だってオーケーを出したことはない。何で?って聞いたら、面倒くさいって返されたことがあった。分からなくもない。前に一度だけ付き合った彼氏は、私と総悟の仲が良すぎるって五月蠅いから別れた。だって仕方ない、幼なじみだもん。総悟はドSで意地悪だけど、いい奴だから。

「彼女作れば?」
「そっちこそ、彼氏作れば?」


恋なんて百年早い


「私は、総悟と居る方が楽しいもん」
「奇遇だねィ、俺も同じ意見でさァ」


絶惨爆走中 様に提出
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