※バトロワパロディ、死ネタ、グロ表現注意
※バトロワの意味がわからない、許せない方は閲覧をお控え下さい





手にベットリと纏わりつくそれは、徐々に手から皮膚、皮膚から内部へと浸透していく。
皮膚の細やかなシワにこびりついて取れやしない。
血なまぐささの漂うこの空間に私と彼の二人きり。
日常とはかけ離れたこの場所で私と彼は本当に二人きり。
つい最近まで笑いあっていたクラスのみんなはもう居ない。
みんな血まみれになってしまった。
その証拠にほら、足下には神楽ちゃん。
可哀想に、私なんかを信じるからこんな目にあってしまった。
蜂の巣みたいに穴だらけの神楽ちゃんは触れると冷たくなっている。
ごめんね、神楽ちゃん。
謝罪なんて何の意味も成さないけど。

動かない時計、締め切られたカーテンに、薄暗い部屋に飛び散る血痕。
尋常じゃない、そんなこと分かってる。
だけど慣れてしまった臭いも死体も私は全然平気だった。
だって、こんな非日常的な空間を作ったのは私なのだから。
自分の欲のためだけに、私はみんなを殺してしまった。

「先生、やっと会えた。会いたかった。」
「…まさか、お前が残るとはね。」
「意外だった?」
「まぁな、沖田が優勝候補だったし?」

そう言って、タバコの煙を吐き出した。
意外にも冷静な先生。
当たり前か。
三日前私たちに「殺し合いをしてもらいます。」なんて平然と言ったんだもの。
その時点で私たち生徒には何の感情も持ってないんだろう。
だけどそんな先生が好き。
好きで好きでたまらない。


「先生、私ね。先生のこと好きだよ」
「…知ってる」
「だから優勝したんだよ」
「知ってる」
「だ、から…みんな殺しちゃった…」

言いながら涙が溢れてきた。
悲しい?苦しい?楽しい?いや、分からない。
感情なんてずっと前になくしてしまった気がする。
何に対しての涙なのか分からずに血で汚れた手のひらで涙を拭った。
ああ、悔しいのか。
この手が、みんなを殺してしまったこの手が。
たった一つの感情で大切で大好きな友達の命を奪ってしまった。

「名前──」
「せん、せ…私、バカだよね」

大好きな先生の腕に引き寄せられて、大好きな香りに包まれる。
嬉しくて堪らないはずなのに、どうしてこんなにも苦しいの?

「ごめんな、俺…本当は殺し合いなんてさせたくなかった…死にたくなかった、ごめん。ごめん、名前」

先生にしがみついて泣いた。
先生も泣いていた。
人間ってバカだ、本当に。
欲には勝てない愚かな生き物なんだ。

「先生、私を…殺してよ」
「んなこと出来るわけねーだろ!」

何て涙声で言うから、私は銃口を自分の頭に向けた。
そうだ、大好きな先生を人殺しにさせるわけにはいかない。
死ぬのは怖くない。
だって向こうにはみんな居るから。
ただ、大好きな先生は居ないけどみんなが居るから大丈夫。
きっと怒られるだろうな。

「名前!やめろよ、何する気だよ」
「ごめんね、先生──大好きでした」
「名前、おい!待て、俺も…─!」

パンという乾いた音と共に衝撃が響く。
目の前が真っ赤になって先生も霞んで見えた。
ああ、さよなら大好きな人。
最後にあなたの温もりを感じられて幸せだったよ。


全ては鮮やかに
(そして鮮明に、)
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