緊迫した空気。
人も風も空も、私たちを纏う全てのものが張りつめていた。
藍染隊長は、砕蜂隊長と夜一さんが。
東仙隊長は、檜佐木副隊長が。
そして我が上司、市丸ギンを乱菊さんと私が取り押さえていた。
護廷十三隊が勢揃いだな、なんて呑気なことを考えていたんだけど、どうやら状況は最悪みたいだ。
朽木さんの仕組まれた処刑を阻止したまではよかったんだけど、その仕組んだ影の陰謀者というのが今取り押さえられている三人だった。
うちの隊長が裏切ったことに、何ら驚きはない。
だって普段から自由奔放で、気付いたら居なかったりするし。
仕事ほったらかして行方不明になるもんだから、吉良副隊長と三席の私が大変な思いするのは日常茶飯事なわけだ。
だから今回の騒動も今までよりちょっと度が過ぎた気まぐれにすぎないじゃないか。
ただ大虚と手を組んでたことには驚いたけど。
「もうちょっと捕まっとっても良かったんやけど…」
反膜が降りてくる。
乱菊さんがさっと離れたのをぼんやりと見ていた。
この膜が隊長を連れていくのだろう。
今回はどのくらいサボる気なんだ。
私たちの仕事が増えるじゃないか。
給料上がるのかな。
「名前!」
乱菊さんの声に、はっと我に返る。
急いで離れようとしたところを市丸隊長に腕を掴まれてしまった。
あーあ、もう遅い。
完全に反膜に包まれ足場が浮く。
遠く離れていく尸魂界の土地。
今回の散歩は私も連れて行ってくれるらしい。
「名前ちゃん、抵抗せえへんのやね?」
「もう遅いですよ」
「確かに」
吉良副隊長、ごめんね。
隊長と三席が抜けたらきっと仕事が回らなくなるけど、隊長の気まぐれにちょっとつきあってきます。
どっかいこか
(行き先は虚圏やけど)(えー、やだなぁ…)(まぁええやん、僕居るし)