「なぁ名前、塔子ちゃんって可愛いよな」
「うん、可愛いよ」
「彼氏いないよな」
「いないんじゃない?」
最近、平塚の様子が変だ。
変態なのは変わってないけど、何ていうかため息が多くなった。
そして、塔子ちゃんのことばっかり聞いてくる。
そんなに仲いいわけじゃないからあんまり知らないって言ったら、怒られた。
「塔子ちゃんのパンツ何色だと思う?」
「知るか」
「名前は白だ」
「当たり……ってキモい平塚」
「塔子ちゃんに聞こうかな…」
何言ってるんだキモ塚。
机に肘をついて外を眺める平塚に、クラスの女子は若干引き気味だ。
という私も少し引いていたりする。
いや、こんなんだけどいい奴なのは認めるよ。
だけどやっぱりパンツの色を聞くのはどうかなぁ…。
「よし、行ってくる!」
「え、マジで?」
「ボヘミアの川よ〜、モォルダァウよぉ〜、塔子!」
勢いよく立ち上がった平塚の足取りは軽い。
しかもモルダウアカペラで歌いながら教室を出て行った。
もうどうなっても知らないよ、私。
ため息を一つ吐いて、若菜とのメールを再開した。
まあ、がんばりたまえ
(多分、アウトだな)
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