小屋

好き勝手に書き散らす自由帳
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2020/05/29 21:03

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(ラギーくん式典服ホーム台詞より。お前バイトでやったことあるって言っときゃなんでも許されると思って…)



朝のティータイムが終わる頃には車の中はパンの香ばしい匂いで満たされていた。
今日は休日。普段昼は学園内でパンを売り捌いているアニーだが、休日は気分でよく街にも繰り出す。商売で生きている限り人脈は大事なのだ。どこでどう化けるかが分からないから人の縁とは面白い。


小さな化粧箱を開けて、んんー、と唸っているとキャンピングカーの扉がコンコンと音をたてた。
販売中でもない車を訪ねてくる相手はそんなに多くない。窓を開けてみれば思った通りの相手がニカッと笑顔を浮かべた。


「おはよっスー」
「おはよう。どうしたの?」
「散歩してたら朝からいい匂いがしてくるから釣られちゃって?」
「残念、全部売り物です」
「えー、そりゃないっスよ。オレもう腹ペコペコ」
「朝ご飯食べてないの?」
「まだ早朝スよ、てきぱき動いてるのなんてそれこそパン屋さんくらいだって」


そんなことを言いながら乗り込んできたラギーはすんすんと鼻を鳴らしては尻尾を揺らし上機嫌だったが、ふとアニーの手に握られているものを見て瞬いた。


「アニーちゃんピンクのシャドウなんて持ってたっけ」
「外の常連さんに頂いたの。今日街の方行く予定だし使ってみようかと思ったんだけど」
「ふーん……使い方分かんない?」
「これ液体なんだもん」


ラギーの分のティーカップを出して、折角だからとお湯を沸かして新しい茶葉を出す。
差し出したスコーンに目を輝かせ一つ口に放り込んだラギーは、もぐもぐと味わう間手の中でアニーから受け取ったシャドウを弄んだ。


「その常連ってどんな人?」
「可愛らしいお婆ちゃん」
「へぇ。アニーちゃんこっち座って、つけてあげるっス」
Category : ツイステ
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