小屋

好き勝手に書き散らす自由帳
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2020/07/09 20:18

相方の爆撃がやまない
私の中でアニーがどんどん素のときに淡々というか図太いというかな感じになってってるんだけど「オレと友達になりません?」に対してすっと表情が薄くなって「……私、素だとこんなだけど」「寧ろそれでよくあんな愛想振り撒くッスね!?」ってくらいのギャップでも可愛いんじゃないかと。別に感情が薄いわけじゃなくて、笑うときは笑うし怒るときは怒るけど意味もなく表情を作ることはないというか。取り繕う必要が無い相手には途端に取り繕わなくなるというか。接客モードと素の間が分からない感じ。家を出るまで素で誰かと接したことが無かったから仕方ないね。お婆ちゃんは心配かけないようにという気持ちが強いので取り繕ってる部分もあるからまた別枠。

 財布を肩掛けカバンにしまい、慣れた手付きでカートを転がす。
 大型のカートの上には紙袋が幾つかと、その上に段ボールと発泡スチロールの箱がこれまた幾つか。重ねられたそれらはアニーの身長とどっこいどっこいだ。
 ふんふん、と真顔のままに小さく鼻唄を零すアニーだが、カートを押す腕は節くれだっていて随分な力が込められていることが分かる。それもそうだろう、総重量は百キロいくかいかないか。滑車がついているとはいえ女性が軽く押せる重さではない。
 緩やかな上り坂を前にして、荷を纏めている紐を再確認したアニーは休む間もなく再び腕に力を込める。嫌がっていても勝手に荷が進むわけではないし、というのが彼女の持論だ。
 もう少し車を近くに停めればよかったな、とも思うものの、商売時以外はあまり人の集まるところに車を近付けたくない気持ちの方が勝ったのだから仕方ない。

「おい、貸せ」
「レオナさん」

 不意に後ろから伸びてきた腕にカートをかっさらわれ、ぱちりと瞬きしたアニーの見上げた先には見知った顔があった。
 面倒くさそうに欠伸をひとつ漏らした彼は、ガシガシと頭を掻きながらもう片方の腕のみでいとも容易くカートを押していく。
 慌ててその背を追うと、追い付いたところで僅かにレオナの歩調が緩んだ。

「ありがとうございます」
「別に、散歩のついでだ」
「お礼にアイスティー淹れますね。ラギーくんとジャックくんにもわけてあげてください」
「別にどうでもいいが……おい」
「はい?」

 アニーのキャンピングカーには、タンブラーが幾つか置いてある。
 親しい相手にたまにこうして手渡すことがあるのだ。その数は少ないけれど。

「この生鮮食品の山はどういうことだ」
「上から順に一夜干し、セミドライ、ドライ、粉末でお願いします」
「……流石に豪胆が過ぎるんじゃねぇかお前」
「全部ティナさんも食べたいって言ってました」
「……」
「重箱に入れてお持ちしますね」
Category : ツイステ
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