小屋

好き勝手に書き散らす自由帳
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2020/07/26 21:10

プロローグ1
プロローグがつまらなくて進まなくて泣いてるからとりあえず書いたとこまで保存。


 不思議な夢だった。

「……時間がない……ように……」

(時間……?)

 どこか遠くで誰かの声が聞こえる。なにか大切なことを言われているような、自分には全く関係ないような。低いこれは恐らく男性の声だ。聞き覚えは無い。
 いつの間にか馬車のようなものに乗っていて、暗い森の中を進んでいる。まるでお伽噺に出てくるようなおどろおどろしい森。
 何故自分がこんなところにいるのか、さっきまで何をしていたのか。何も思い出せない。それを疑問に思う間もなく陽花の意識は再び深く沈んでいった。

***

「……ゾ、……、こう……」

(……ん、なに……うるさい……)

 なにやらゴソゴソぶつぶつ、耳元で聞こえる物音と声に半分くらいの意識を掬い上げられた陽花は、目を瞑ったまま眉を顰めた。
 まず、うるさい。あとなんとなく狭いような気がする。昨日はいつ寝ただろうか、いつも通り自分の部屋で眠りについた筈なのだけど。
 完全には起きていない脳はそこで疑問を止めてしまう。もう少しちゃんと起きていれば自分のベッドにしては広さも快適さも足りていないことや、耳元で騒ぐような、例えば小さな子供やペットなんかは陽花の家にはいないことに気付いただろう。でもそれよりも先に。

「ふな”〜〜〜〜それっ!」
「あっつ!! え、は? なに!?」

 日常では決して感じ得ない熱さに陽花は飛び起きた。暑さではない、文字通り熱さだ。焼かれているかのようなそれに防衛本能が働き一気に脳が覚醒する。
 目の前にはたくさんの棺が浮いている見覚えの無い部屋。日常ではそうそう目にすることのない棺が重力も常識も無視して空間にふよふよ漂っている光景は、不思議を通り越して不気味さすら感じる。
 恐らくは陽花もそれらの中の一つに入っていたのだろう。狭く感じたのはそのせいだ。しかし蓋は何故か吹っ飛んでいて、端の方がチリチリと燃えている。
 そしてなにより。

「ギャーーーーーー!!!! オマエ、なんでもう起きてるんだ!?」
「喋る狸!?」
「誰が狸じゃーーーー!!!!」

 喋って動いて、そして恐らくは炎を生み出している張本人である小動物を前にして、混乱を極めた陽花の脳は一周回って見当はずれな感想を吐き出した。
 猫、なのだろう恐らく。近所の少しばかり恰幅の良い雄猫を思い出す。ふてぶてしい顔と態度が如何にも憎めない奴で、姉兄が狸と呼んでいたおかげで陽花には猫をたまに狸と呼ぶ習性があった。閑話休題。
Category : ツイステ
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