小屋

好き勝手に書き散らす自由帳
(←戻る)

2020/12/07 21:50

無題
 何百年生まれてこなかった逸材として腐った大人たちに囲まれて擦れてた少年時代(知らんけど)に育たなかった情緒が高校で夏油という親友に出会って育って育ちきる前に夏油を失って行き場のなくなったそれが小学生男子として残ったんじゃないかなとか考えて私の情緒が爆発しました。五条さんお誕生日おめでとう。



 随分と大人しいなとは思っていた。
 五条の性格を考えたら「来週の月曜日僕誕生日だからよろしくね!」と一週間ずっとご機嫌に言って回るだろうに。まぁここ呪術高専で教鞭をとりつつも全国を忙しく飛び回っている彼は一所に留まっていることの方が珍しく、毎日生徒たちと顔を合わせられるわけではないのだが。しつこく電話をかけるくらいはしそうだ。伏黒あたりには着拒されるだろう。
 その疑問は、急な任務で飛び出していった五条からかかってきた電話で解決することとなった。


『何時までに帰ればサプライズ間に合う?』


 何かトラブルでもあったのかと、五条の代わりに授業を受け継いだ教室から急いで出たというのにこの男は。閉めた扉の向こう、可愛い可愛い三人の生徒のことを思い幸は苦笑を零す。


「随分な自信だね」
『僕が気付かないとでも? 手作りケーキとロケット花火用意してくれるんでしょ?』
「うわぁ筒抜け」


 事の始まりは何気ない会話からだった。五条先生が大人げない、五条先生に落ち着きがない、この前もライターを道端に投げつけて鳩を威嚇していた、自販機で飲み物を選んでいたら横取りされた。わいわいがやがや、一年生三人が担任のことを話しているという一見微笑ましい光景。中身はほとんど愚痴だったが。
 そこで虎杖がふと零したのだ。「そういや五条先生って誕生日いつなんだろ?」曰く、普段お世話になっているから何かプレゼントしたいと。「伏黒お前知らねぇの?」「興味ない」五条が聞いたら泣きそうな会話をした後、答えを求める視線が幸の方へと向けられた。
 幸いにもその時は夏真っ盛りだった。窓の外からは五月蠅いくらい蝉の声が聞こえてきて、青い空がどこまでも広がっているような。
 四人で相談をして、花火を買っておくことにした。クラッカーなんて生温い。最近は如何に激甘なケーキを作るかで度々盛り上がっているのも目撃した。
それらを微笑ましく見守りつつも、幸の仕事はこの日に五条の出張が入らないよう暗躍することだったのだが。
 呪霊は待ってくれない。出張こそ避けられたものの、電話一つで飛び出して行ってしまった五条に少なからず落ち込む様子を見せていた三人にどうしたものかと思っていたが、どうやら杞憂に終わりそうだ。


「何時に帰ってこれそう?」
「僕だよ? よい子が帰るチャイムまでには戻るよ」
「ふふ。気を付けてね」
「誰に言ってるのさ」


 臨時教師権限でホームルームは教室の飾りつけに使おうか。
 サプライズ返しだよ! と真っ赤な薔薇の花束を抱えた五条が生徒たちにもみくちゃにされるまで、あと二時間。
Category : 呪術
Tag :

prev / next