甘く、とろけるような
「ナツ、君のことが好きダ」
突然の告白に目を見開いたまま、驚きの表情を隠せていない夏を真っ直ぐに見据える。
握られた両手が小さく震えているのがわかる。嗚呼、なんて情けない。カッコいい姿を見せたままでいたいというのに、もし断られたらどうしよう、答えを聞くのが怖い。
「ボクも、なっくんの事好きだよ。ゲー研の部室を取り戻してくれたあの時から、ずっと」
だから、とっても嬉しい。
と、花が咲く様な笑顔。あの時、彼女の笑顔に心を奪われた自分がいた様に、彼女もまた同じ様な想いを持っていた事に、心の底から暖かな気持ちが湧き上がる。駄目だ、駄目だ。承認された嬉しさも相まって、顔に熱が集中している。こんな姿もっと見られたくない。握られていた手を名残惜しくも離し、咄嗟に口元を覆う。
「…なっくん?」
「今、カッコ悪い顔してるかラ、見ないデ」
情けなくも小声でそう告げる。何度か呼吸を整えて、大きく息を吐く。多少なりは落ち着いたであろう熱を冷まし、逸らした視線を再び彼女へと向ける。
すると、どうだろう。言葉の通り、目を瞑って待ってくれている夏がいた。
「…もウ、そういうところガ」
嬉しくて、愛おしくて。思わず心からの笑みが溢れる。
「ナツ、」
その頬に手を伸ばす。触れた先、薄っすらと開かれる瞳に、再び赤く染まる頬を見られない様に、ゆっくりと距離を零にした。