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一体全体何がどうなっているのか。
観音坂独歩はこの状況を全くわかっていなかった。
自分の目線と同じ高さのところに大きなおっぱいがあった。効果音を付けるとすれば、ばいーんとでもいいそうな迫力満点の代物だ。状況が状況じゃなければ吸い寄せられるかのように本能のまま鷲掴むであろう。
しかしそのおっぱいには、千手ヶ原と記された名札がちょこんと付いていた。
油が切れたブリキの玩具みたいに、ぐぎぎと顔をゆっくり上に動かしてみる。いつものように氷のような顔をした千手ヶ原かなめの黒い瞳が独歩を貫いた。
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