「きょうや〜♪」
「・・・・なに?今日は一段とうっとうしいんだけど?」

僕はいつも通り、気に入らない群れを軽く3つ程咬み殺してきたところだった。

咬み殺すのは全然楽勝だったけど、寝不足だったから、少し疲れてるみたいだったから、帰ったら名前に癒やしてもらおうっと思っていたところだったんだけど。

何か、名前の様子が変だ。
妙にくっついてきて、うっとうしいし、ウザイ。

なんか、名前っていうか犬?
っていうか酔っ払い?

ちょっと落ち着いて名前の首筋辺りを嗅いでみる。

「もう〜きょうやぁ、くすぐったいってw」
「ちょっとじっとしててよ」

いつもの名前の花みたいに甘い香りに紛れて、嗅いだことのある匂いがした。
・・・・やっぱりそうだ。部屋の奥をよく見てみると、空になったスコッチの瓶がいくつも転がっている。

「・・・ちょっと。もしかして名前・・・これ全部飲んだの?」
「ん〜?ちょっとだけだよ♪ほんとにちょっとだけ・・・」
「ねえ、キミ、お酒激弱だったよね?」
「うふふ〜」
「うふふじゃないから」

名前はそう言っている間にもどんどんすり寄ってきて。
・・・ねえ、胸が当たってるんですけど。

「きょうや、気付いてる?」
「・・・何が?」
「・・・わざと当ててるんだよ?」

名前はにこっと可愛らしく笑う。
・・ちょっと、正直言うけど可愛すぎる。なに?今日は僕の自制心を試したいわけ?

「〜〜〜!キミさあ・・・。僕を挑発して何がしたいの」
「・・・・怒ったぁ?」
「・・・怒ってないけど。・・キミを怒れるわけないでしょ」
「恭弥は、優しいねぇ」

名前は、んーっと背伸びをして、僕の頬にちゅっとキスをしてきた。

「恭弥は優しいから、こうしても怒らないよねぇ?」
「・・・・・・・怒らないよ」
「じゃあこれは?」

名前は更に背伸びをして、僕の顔を両手で挟む見たな感じで掴んだ。そして、
ちゅっ、ちゅっ。
唇に二度、軽くキスをしてきた。

「これでも怒らないよね?」
「・・・・怒らないよ。怒らないけど・・・」
「ん?」
「キミは超えてはいけないラインを超えたね」
「え?」

僕はにっこり笑って、名前を見つめた。

「ちょ、恭弥の笑顔、怖い・・」
「何?僕をこうさせたのはキミだよ?」

僕は名前をひょいっと軽々と持ち上げ、いわゆるお姫様だっこをした。そしてそのまま寝室に向かう。

「ちょっと、下ろして!おーろーしーてー!」
「勿論、下ろしてあげるよ。ベッドの上にね?」
「ごめん恭弥〜〜!謝るから、ねっ?恭弥ごめんっ」
「怒ってないって言ってるでしょ。・・・その証拠に、僕の可愛い名前に、いいこと教えてあげるよ」
「えっ、何・・・?」

名前をベッドの上にそっと下ろし、上から覆い被さる。名前の頬は酒のせいで赤らんでいて・・・そそられる。
僕は名前の耳元で囁いた。

「女性は、酔ってると感じやすいらしいよ・・・♪」
「なっ・・・!///」

その後、名前のことは僕が美味しく頂きましたとさ。


* * *

後日談

「ねえ、うちにスコッチがあったのって、キミだね?・・・骸」
「ああ、ちょうど香りが良いスコッチが手に入ったので、名前にお裾分けしたんですよ」
「咬み殺す」
「やめてくださいよーwあなたが任務でいないときに寂しいから飲むって言ってましたよ。いじらしいですよねぇ。あなたがいなければ名前は僕のものだったのに残念ですw」
「・・・帰る」

速攻で家に帰った雲雀が再び名前を激しく抱いたのはまた別のお話。





Drunk in Love
(あなたに、酔わせて。)







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可愛く酔える、って才能ではないですか?(ザルの人挙手)