「獄寺君!」
「……」
「獄寺!獄寺様!隼人!隼人君!」
「……テメェ、なんだよ」
「呼び方どれがいい?」

そうだコイツはいつもこう。
いきなり現れたかと思えば意味の解らないことばかり口にする。
俺にとって数少ない『理解できないもの』のひとつだ。

「隼人、はいつも通りでしょ〜。獄寺君っ!あ、これツナの真似ね。次、獄寺!これは武の真似」
「あのな苗字、俺は今忙し——」
「隼人君!君つけてみた。さてどれがいい!?」

ついでに言えば、俺の言葉を遮って物申す失礼な人間はコイツと山本ぐらいのもんだ。テメェら、十代目の奥ゆかしさを見習いやがれっ!
苗字はリボーンさんが突然連れてきた女だった。どうやら、腕利きの情報屋らしいが。初めて顔を合わせたときから、妙にしつこく絡んできやがる。初めのうちは、周りの奴等も物珍しがって苗字(と俺)を見ていたが、最近は日常茶飯事だ。

「んー、やっぱり隼人がしっくりくるよね。でね、次!」
「まだあんのかよ……」
「うんうん!今度は隼人の番だよ。隼人、私のことを『苗字』以外で呼んでみよぉ〜♪」
「は?!」

なんで俺が……。
大体、こんなガキ(つってもたかが俺の一個下だけど)を野放しにしてるリボーンさんも悪い。
そして俺をつけ回す苗字も悪い。
追い返せない俺はもっと悪い。

「……いやだ」
「駄目でーす隼人君にキョヒケンはありますぇん」
「ウゼェ」
「名前♥って呼んでくれたら黙ろっかなw」
「死ね」
「本当に今ここで私が死んだらビビるクセに〜」
「……」

奴は催促するようにこちらを見てニカっと笑う。
あああ〜〜本当なんでっ俺が!

「……名前」
「あぁあん?聞こえないよ!ごっきゅん?」
「るせえな、名前!」
「きゃほーう!隼人が名前呼んでくれたぁー!名前って言ったー!イェーイ」
「……」

……俺を惑わし、そして魅するこの女が一番、悪い。



Come ti chiami ?





▽ ▼ ▽

ちょっと短めになってしまった……
ごっきゅん難しいよごっきゅん。

名前ちゃんに振り回されつつ、なんだかんだ満更でもない獄寺氏でしたw

ちなみにタイトルの『Come ti chiami ?』は、イタリア語で相手の名前を聞くときに使うフレーズです。
タイトル、ストレートすぎぃっ((殴

最後までお読みいただき、ありがとうございましたv

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