ばしゃあんっ
歯切れの良い水の音。
濡れた制服。

「こんなことであなたの頭が冷えたとも思えないですけど」
「私もそう思うわ」
「そうですか。それならあなたは今日でクビです。さようなら」
「クビにしてくださってどうも。有り難き幸せ」

名前はフンッと鼻で笑った。
本当に腹が立つ。
鼻で笑うなんて、僕にはできない。

「千種。私、今日でクビらしいから」
「え、う、嘘だろ」
「少なくとも骸さん、そう言ったもん」
「……あなた、阿呆ですか。嘘に決まってるでしょう」
「あ、骸さん……」

女性相手に傷つく事なんて、今まで一度もなかった。
クビと言っても動じない名前を見たら、とても傷ついた気がした。
……惚れた弱み?格好悪いこと言わないで下さい。

「あんなの、当然嘘でしょう」
「言っておきますけど、私は反省しなければならないとも思ってないです」
「知ってます」

反省なんか、しなくていい。
しなくていいから、早く僕の所に戻ってきなさい。

「だってさ、千種。クビじゃなかったわ」
「やっぱりね。……めんどいなぁ」

クビになると、本当に信じていたのだろうか?なら尚更、腹が立つし傷つく。
もしかすると、名前と離れたくなくて寂しがってるのは僕だけなのかもしれない。
というか、初めから僕だけだったのかもしれない。
やっぱり傷つく。

「骸さーーんッ!ちょっと来てくらさい−!」
「ほら、犬が呼んでますよ、骸さん。行った方が良いです」
「どうして、あなたは僕にだけ敬語なんですか。昔はそんな話し方じゃなかった。呼び方だって、呼び捨てだったはずだ」
「……。お願いです骸さん。犬の所へ行ってあげてください」
「行きませんよ」

そんなに僕と一緒にいたくないのだろうか。
そんなに僕の名前を呼びたくないのだろうか。

「ちょっと骸さんっ!あ、それに名前も!大変なんれすって!早く来るびょん!」
「ごめんね、犬。今行く」
「…………名前が行くなら僕も行きます」

ちょっと待って下さい。まだ話し合いの途中なのに。
…………そうだ。

「待って下さい、犬」
「何れすか骸さんッ」
「えーと、今、あー、えーと、そう!千種!」
「え?」
「千種が是非犬を助けたいと。」
「え?そんなこと言ってな―――」
「で、僕と名前は今手が離せないんですよ。ボンゴレに対抗する作戦会議中です。千種にも協力してもらっていたところで、本当は抜けないでほしいんですが………しょうがない!千種!犬を助けに言ってきてください!」
「ええ〜……めんどい……」

おお、僕、演技上手くないですか?
千種なんて吃驚して目をしばたいている。

「そ、それなら、しょうがらいびょん……千種!こっち来いっての!」
「めんどい……」

千種には申し訳ないが、僕は実際手が離せないのだからしょうがない。

「犬も千種も行きました。名前、ゆっくり話し合わないといけませんね」
「私はその必要性を感じませんけど?骸さん」
「僕には大問題なんです」

そう、僕達には話し合わなければならないことが多すぎる。
早く話し合って決着をつけなくては。

「で?ここまでしておいて、で?ここまで呼び出しといて、まだ何かあるんですか?反省なんかする気はありませんけど」
「反省なんてもうどうでもいいんです。気になるのは……1つだけ」
「なんですか」
「………どうしてですか?」
「何が………何がですか」
「どうしていきなり冷たくなったんですか。僕何かしましたか?」
「別に、骸さんがどうのこうのというわけでは―――」
「それですよ!」
「え?」
「何故なんですか?ついこの前まで『骸』と呼んでいたし、敬語でもなかった!」
「それは―――」

本当は話し合いなんて、苦手なんです。
でも今日は名前の話を聞かなければいけない。

「僕のこと嫌いになったのですか」
「それは違う!そうじゃなくてっ、だから………」
「違うならいいじゃないですか!どうしてそんなに態度を変えるのですか!」
「だからっ………」
「言い訳なんていりません。今はとにかく『愛してる』と言って欲しい」
「………………愛してるよ……。当ったり前じゃん!骸のこと大好きだよ!」

涙はまだ流せない。
まだ理由を聞かなければならないから。

「……どうしてだったんですか?」
「…………噂が」
「ウワサ?」
「友達がっ、昨日骸と女の人が歩いてた、って」
「馬鹿ですね、あなたは。僕が昨日一緒に歩いていたのは千種ですよ。帽子を被っていなかったから、おかっぱの女の子にでも見えたんじゃないですか?」
「う゛っ!そうかも……」
「本当にお馬鹿さんですね」

でもいいんです。これで一件落着。
笑顔も自然と零れる。

「………ごめん」
「全く問題ないですよ!」

名前が僕を嫌いなわけではないということがわかったというだけで。
こんなにも嬉しく感じてしまうのだ。

「濡れた服を着ていると名前が風邪を引いてしまいますね……」
「あ、じゃあ私向こうで着替え―――」
「何言ってるんですか?着替えるんじゃなくて、脱ぐんですよ?手伝います」
「えっ?!あ、ちょっと…っ!?///」




He is always emotionally unstable!
(安定など、いらないのです。あなたさえいれば)


















▼ ▽ ▼

いつも読んで下さってありがとうございますv

そしていきなりですが……

ちょっと骸様情緒不安定すぎねーか?!?!?!?!?!((爆
という気持ちを素直にタイトルに込めてみました←

愛故に暴走しがちな骸様ですが如何でしたでしょうかw((何
でもそれもこれも愛故なのですv

骸様、何気に書きやすいかも……♪
次はもう少し精神が安定した骸にできるよう頑張りますwはいw

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