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「おはようハニー、今日もいい夢は見れたかい?」
「…おはようカラ松、朝から早いね早すぎる」



朝の7時、一人暮らしの狭い部屋にインターホンが鳴り響いた。静かな時間帯、嫌でも起こされてしまう。今日はせっかくの休みなのだからもう少し寝かせてほしい。重たい体を起こし玄関へ向かう。ゆっくり扉を開ければ、視界が真っ赤に染まった。匂いでわかった。あー、またいつもの薔薇ですか。



「フッ、なまえ…早く俺のワイフになってほしい…それを言いに来たんだ」


最近ずっとこれ。カラ松は私に痛いセリフでプロポーズとやらをしてくる。でもさすがに毎日朝から夜遅くまでこんなことされると、説得力もなければときめきもしないんだよね。



ていうかまず私たち付き合ってないじゃん。




「ニートと結婚できないよ」
「それはどうにでもなることじゃないか。他に俺のどこが不満なんだ?」
「全部」
「恥ずかしがらなくていいんだよハニー?俺はいつでも君と一緒になれるようにこれを持ち歩いているんだ!」




え、まさか。



カラ松はギラギラのスパンコールのズボンのポケットから小さく折りたたんであった紙を取り出し、私に広げて見せた。え、とうとうやらかしたよこの人。痛いと言うよりストーカーになってませんか。しかもちゃんと夫の欄が埋まってる…怖っ。




「どうだなまえ、これで決心はついたかい?」
「警察呼ぶよ?」
「なっなんで!?」
「付き合ってないし。毎日こんなことされてたら嫌いになるよ」
「え」
「ほらもう帰って」
「ちょっなまえ」



薔薇の花束を強引に押し付け扉を勢いよく閉め、鍵もすぐさまかけた。扉の向こうから「また来るよハニー」と聞こえ、帰っていく足音が小さくなっていく。ふぅ、とため息を一つつき私はまた布団に入った。




さすがに婚姻届を出されたのにはビックリした。恐怖のが大きかったけど、一瞬だけ、本当に一瞬だけドキッとした自分がいた。でも恐怖のがでかいよ。



二度寝して起きたらおそ松に相談しよう。



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