よう。
コアへ行くんだって?
その前にオイラとメシでも食わないか?
いいよ ○いそがしい
ふぅん。
じゃ頑張れよ。
○いいよ いそがしい
よし。
じゃあアンタの奢りな。
こっちだよ。
オイラ近道知ってんだ。
ほら、もう着いた。
…さてと。
アンタの旅もそろそろ終わりか。
よっぽどうちに帰りたいんだな。
まあ…
キモチは分からなくもないぜ。
…でもな。
与えられたもんを受け入れて生きてくってのも悪くないぜ?
ここには食いもんもあるし
友達だっている…
そんなにまでして…
帰るイミあんのか?

いや、やっぱり忘れてくれ。
オイラはアンタを応援してるぜ。
なあ。
おもしろい話してやるよ。
オイラスノーフルの森で
警備員してるだろ?
ニンゲンが来ないか見張ってるだけだから毎日ヒマでさ。
でも森のずーっと奥に…
カギのかかったデカいドアがあって…
これがギャグの練習にぴったりなんだ。
ある日
そのドアをお客さんのかわりにして…
新作ギャグを練習してたらさ…
突然ドアの向こうから…
おばさんの声でツッコミいれられたんだ。
「なにゆーとりまんねん」ってさ。
だからすかさず返したね。
「ピン芸人につっこむやつがあるかいな!」ってさ。
そしたら「ツッコミにつっこむやつがあるかいな」って返されて。
「そもそもボケてへんわー!」って言ってやったら…
そのおばさん大笑いし始めてさ。
今世紀最高のギャグでも聞いたみたいな勢いで。
だからオイラどんどんギャグを連発した。
オイラのネタであんなに笑ってくれたひと、初めてだったよ。
そしたらそのおばさんが…
「私もひとつギャグを言っていい?」っていうから…
どーぞ!って答えたらさ…
「…ねえ、不思議だと思わない?」って言うんだ
「なにが?」って聞いたら…
「こんなに近くで話しているのに″トーク″なんて」って。
ビビッたね。
このおばさんタダものじゃない…
って思ったよ。
その後はもう何時間もギャグ合戦さ。
でもオイラが帰る時間になっちゃって。
パピルスが寝る前に本を読んでやらないといけないからさ。
そしたら「またいつでもいらっしゃい」って言われたんだ。
だからオイラその後も
何度もそこへ出かけていって…
ドア越しにギャグを披露するようになった。
サイコーだろ?

でもある日
おばさんがあんまり笑ってくれなくてさ。
「どうしたの?」って聞いたら…
「もしこのドアからニンゲンがはす
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