今日は待ちに待ったクリスマス!
私の彼氏――タケルくんは、アイドルとして忙しいんだけど、なんと、夕方からデートできることになった!
正直、クリスマス当日は一緒に過ごすのは難しいだろうな、って思ってたから、すっごく嬉しい!!
かなり早い時間から用意を始めたものの…こういう時に限って、前髪がうまくきまらないし、アイラインを引くのに思いっきり失敗しちゃって…
何度もやり直しているうちに、ギリギリの時間になってしまった。
駅から待ち合わせ場所まで、慌てて走っていくと、既にタケルくんが待っていた。
途中でタケルくんも私に気付いてくれて、こちらに駆け寄ってきてくれた。
「そんなに慌てなくても大丈夫だ。約束まで、まだ時間はある」
「でもっ…少しでも、早くタケルくんに、会いたくて…!」
「…そうか。ありがとう」
走ってきたせいで、息を切らせている私の背を撫でると「落ち着いてから行こう」とタケルくんは言ってくれた。
ああ、私の彼氏は優しいし、カッコイイなぁ…!なんて、改めて思う。
…そんな私たちがやってきたのは、遊園地!
クリスマスツリーとイルミネーションが綺麗なことが有名で…
いつか、彼氏ができたら一緒に見たいなと夢見ていたところなのだ。
まさか、夢が叶うなんて…!
タケルくんに見えないところで、自分をつねってみる。
…うん、痛い。
これは夢じゃないんだ…!
入場チケットを買って中に入ると、早速辺り一面、光り輝く景色が広がっていた。
「わあ……!!」
思わず歓声をあげる私を見て、タケルくんは優しく微笑んでいた。
「こんな暗いと、はぐれちまいそうだな。手を繋いでおこう」
「うんっ!」
…繋いだタケルくんの手、ちょっと冷たいかも。
もし、長い時間待っててくれたなら申し訳ないな…
走ってきたからポカポカの私の熱で、タケルくんがあったまりますように!
そう思って、繋ぎ方を恋人繋ぎに変えてぎゅっと握り返すと、タケルくんが少し驚いたあと、ぷいっと顔を逸らしてしまった。
…どうやら、照れているみたい。
暗くて表情がはっきり見えないのが、ちょっと残念だ。
「…なまえさんは、気になってるアトラクションはあるのか?」
「えっとね、ジェットコースターとメリーゴーランドと…あ、もちろんご飯も食べたいし、一緒にプリクラも撮りたいし…最後はやっぱり観覧車がいいな!」
「ふっ…ああ、わかった。全部付き合う」
私がまくし立てるように言うと、タケルくんは笑って頷いてくれた。
「タケルくんは、何かある?」
「俺は別に…今日は、アンタがしたいことをしよう」
「そんな…いいの?」
「ああ。俺のせいで短い時間だけになっちまったし…今日気になるものがあったら、また今度来るのはどうだ?」
「っ!うんっ!!もちろん!!」
それから私たちは、短い時間の中で遊園地をめーいっぱい!遊びつくした!
ジェットコースターにティーカップに…
メリーゴーランドはちょっと渋られたけど、なんとか一緒に乗ってもらった。
キラキラと輝くメリーゴーランドの馬に跨るタケルくんは、本物の王子様みたいだったなぁ…!
あと、ゲームセンターにも行ってプリクラを撮って、タケルくんが得意なゲームを一緒にプレイして。
…私は足引っ張っちゃってたけど、タケルくんのフォローが完璧で、見事にクリア出来た!
タケルくんも達成感があったみたいで、思わずハイタッチしちゃうくらい、すっごく楽しかった。
夕飯も一緒に食べて、お土産も見て…お揃いのキーホルダーも買っちゃった!
どこかにつけておきたい気持ちもあるけど…やっぱり失くさないように、家で飾ろうかな。
そして、私たちは最後の観覧車に乗り込んだ。
上に上がっていくと、遊園地だけじゃなくて街の明かりも見えて、とても綺麗だ。
「綺麗…」
「…ああ、そうだな」
「今日は、忙しいのにデートしてくれてありがとう!しかも、私の我儘にもいっぱい付き合ってくれて…とっても楽しくて、本当に素敵な一日になったよ!」
「…それなら、よかった」
ふっ、とタケルくんが微笑む。
こんな風にタケルくんと過ごすことができて、本当に嬉しい。
…でも、今日は我儘いっぱい聞いてもらっちゃったから、今度はタケルくんのやりたいことをたくさんしたいなぁ。
観覧車は少しずつ、頂点を目指して登っていく。
てっぺんまであと少し、というところで、タケルくんが口を開いた。
「前は…綺麗なものを見たり、美味いものを食ったりすると、いつか弟たちと一緒に見たり、食ったりしたいって思ってた。でも、今はそれだけじゃなくて…アンタとも一緒にしたい、って思うようになった。それに、アンタがしたいことを、一緒にしたいとも思う」
そう言って、タケルくんはまっすぐ私を見つめる。
「だから、今すごく…嬉しいんだ。こういうの、迷惑じゃないか?」
「迷惑なワケないよ!私も、すっごくうれしい!」
食い気味に思わず身を乗り出してタケルくんの手を取ると、ガタッとゴンドラが動いてしまった。
わわっ、勢いよすぎちゃった!
私は落ち着くために、ふう、と息を吐いてから、タケルくんを見つめ返した。
「私も、もっともっとタケルくんと一緒に色んなことしたい!いつか、タケルくんの弟さんたちと再会できたときに…楽しいこととか、美味しいものとか、素敵な場所とか、いっぱい教えられるようにしておこうよ!」
「…そうだな。俺より、なまえさんの方が色々知ってるだろうし…頼む」
「うんっ、任せて!」
嬉しくなって、タケルくんに抱き着くと、タケルくんもそっと抱きしめ返してくれた。
タケルくんがそんな風に考えてくれていたこと、それを教えてくれたことが、どっちもすっごく嬉しい。
嬉しすぎて、さっきからずーっと顔が緩みっぱなしだ。
タケルくんがいっぱい頑張ってるの、知ってるから…
いつか絶対、弟さんたちと再会できるよ。
その時まで、タケルくんが言ってくれたように、楽しいことをいーっぱい探そうね!
再会したときに、どれからしようか、迷っちゃうくらいに!
Merry Christmas with 315Production!! 