…今日は久しぶりに、なまえと会えた。
とても嬉しい…けど、なまえの様子が、いつもと違う…気がする。
うまく、言えないけど…
なんだか…今日は、なまえの距離が近い。
何も言わないけど…なにか、あったのかな。
俺は、なまえに向き直ると…出来るだけ優しく、なまえの頭を撫でた。
「…今日のなまえは…甘えん坊さん、だね」
「…ごめん」
「なんで。謝るの…?俺は大歓迎、だよ」
「だって、私らしくない…でしょ」
「そんなこと…ない。誰だって落ち込んだり、弱気になる時は…あると思う。こういう時くらい…ううん、普段からもっと…俺に甘えて?…恋人、なんだから」
俺がそう言うと…うるっ…と、なまえの瞳が揺れて…
なまえは顔を隠すように、俺の胸に抱きついてきた。
「ありがと…」
「ううん、俺…話すのは得意じゃないけど…聞くのは、できるよ」
精一杯、伝えると…ポロポロと、なまえから普段は聞くことがないような、後ろ向きな言葉がこぼれてきた。
なまえは、いつも一生懸命だから…少し、疲れちゃったみたい。
俺は、相槌を打ちながら…ゆっくりとなまえの背中をさすったり、ぽんぽんとあやすようにした。
「なまえが、頑張ってるの…俺は、知ってるし…すごいな、って思ってるよ。それに…そんななまえがいるから、俺も頑張れるよ」
俺の気持ち、伝わるかな…伝わりますように…
俺はぎゅっと、なまえのことを抱きしめた。
「だから、辛いときは…俺のことを呼んで欲しい。1人で泣かないで…ね?」
なまえは1人じゃないよ。
俺にできることは少ないかもしれないけど…なまえのことは、俺が助けたいし、そばで支えたいよ。
この想いが…少しでも、なまえに届きますように。
でも俺には…それを言葉で伝えるのは、とても難しくて。
…キス、したら、伝わらないかな。
「…なまえ」
「うん……〜〜っ!!」
名前を呼ぶと顔をあげてくれたなまえのおでこにそっとキスを落とすと、なまえのほっぺたがぽっと赤くなった。
「…嫌、だった?」
「嫌じゃないよ!…その、嬉しい…けど、そんな顔されたら…ドキドキしすぎて死んじゃいそう」
…うーん…?
そんな顔って、どんな顔…だろう?
でも…
「…嫌じゃないなら、もっとしても…いい?」
「えっ…う、うん」
「ふふ、なまえ、大好き…だよ」
おずおずと、なまえは真っ赤な顔をあげてくれた。
目をつむって…ふふ、かわいい。
俺は、なまえにたくさんキスを落とした。
おでこ、瞼、ほっぺた、鼻の頭…なまえは、どこも柔らかくて、病みつきになってしまいそう…
最後に唇にキスをして、なまえを見ると…
なまえと視線があった。
…と思ったら…また顔隠されちゃった…
「…恥ずかしい」
「ふふ、そうだね…」
「……夏来くんは余裕そう」
「そんなこと、ないよ…俺の心臓の音、聞こえるでしょ?」
なまえは俺の胸に顔を押し付けてるから…多分、この音は聞こえてるはず。
「ホントだ…同じくらいドキドキしてるかも」
あ…よかった。笑ってくれた。
ようやく、なまえの笑顔が見れた気がする。
「…元気、出た?」
「うん。ありがとう」
そのまま、しばらくくっついていたら…なまえが「あの、ね」と口を開いた。
「その…1つ、ワガママ…言ってもいい?」
「うん、もちろん」
「その…」
赤い顔のなまえは、俺の耳元で…そっと囁いた。
「――もう1回、キスしたい…です」
「ふふ…俺も。もっともっと、なまえとくっついて…いっぱいキス、したいな」
そう言ってキスをすれば…また、なまえは可愛く笑ってくれた。
もっと…ずっと…なまえが笑ってくれますように。
俺はそんな想いを唇に乗せて…また、なまえにキスをした。