お見合い狂想曲〜もふもふえん編〜



「ねえねえ、大変だよー!プロデューサーが『おみあい』するんだって!」
「「「ええええーーー!!!?おみあいーーー!?!?」」」

直央と志狼が居た部屋に入ってきたかのんが、開口一番そう言うと、2人は声を揃えて驚いた。

「……で、『オミアイ』ってなんだ?」
「し、しろうくん…わかってなかったんだね…」
「えっとねーおみあいって言うのはね、初めて会う男の人と女の人が『ごしゅみは?』ってお話しするやつだよ!」
「ま、間違ってはいないかもしれないけど…」

直央は持てる知識を総動員して、なんとか志狼とかのんに説明をした。

「プロデューサーって結婚したいのか!?」
「う、うーん、本人がしたいと思ってなくても、親戚の人が勝手にお見合いを決めちゃったりすることがあるみたいだよ」
「えーっ、なんだよそれ、ひっでー!」

うがー!と噛みつくように文句を言う志狼。
一方、しょんぼりとかのんは俯いた。

「…プロデューサーさん、結婚しちゃったら、プロデューサーやめちゃうのかな?」
「えっ!」
「かのん、そんなのやだぁ〜!」
「オレだって、プロデューサーがプロデューサーじゃなきゃやだ!!」
「ボクだって…!」

想いを同じくした3人は、顔を見合わせて頷いた。

「じゃあプロデューサーが、おみあいに行かないように邪魔しようぜ!」
「お休みの日とか、夜遅くとかじゃ、ボクたちにはできないよ」
「ぐぬぬぬぬ」
「恋人がいたら、おみあいはしないんじゃないかな?」
「オレたちが恋人のフリすればいいのか!」
「ボクたちじゃ笑われて終わりだよぉ…」

なかなかいい案が出ずに悩んでいると、かのんがぐっとその小さな拳を握った。

「…こうなったらやっぱり!かのんたちだけに出来る必殺技『かわいく泣き落とし』だね!」
「えええ、泣くのかよ!」
「しろうくんもアイドルなんだから、そのくらいの演技できるでしょ!」
「お、おう…」
「で、でも迷惑にならないかな?」
「なおくんはプロデューサーさんが結婚しちゃってもいいの!?」
「…イ、イヤだ!」

かのんの勢いに圧倒され、2人は覚悟を決めた。

「よし!そうと決まれば、早速プロデューサーに突撃だーーー!!!」

志狼の宣言のもと、3人はデスクにいたプロデューサーに突撃した。
そして、プロデューサーにすがって

「結婚しちゃだめーーー!!!」
「プロデューサーさんやめないでくださいーーー!!」
「お見合い反対ーーーー!!!」

と泣き真似をしているうちに、本気で泣き出してしまった。

けれど、困った顔をしたプロデューサーが、「ちょっと話が出ただけで、すぐに断ったから大丈夫だよ」と笑うと、3人は泣き止んで、照れたように顔を見合わせたのだった。




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