引き摺り込まれた夢先に 結局、3人は石碑の唇に口付けをした。 唇が触れた瞬間、石碑の感触は固く、氷の様に冷たかった。 だが、次の瞬間にはジンッと唇が熱くなった。 其れに伴(トモナ)い、痺(シビ)れに似た痛みが走った。 驚いて3人は唇を放した。 すると、石碑は僅(ワズ)かに震えて、光を発し始めた。 其の光は留まる事も収まる事も無く、徐々に強さを増して行き、部屋全体を照らした。 (喧花)「何だ!!?」 (風鵺)「目がぁ、目がぁああああああああ!!」 (摩耶)「―――ッ!?」 第18話の太郎神(仮)に続き、ジブリアニメ映画で有名なムスカ大佐の名言を真似する風鵺同様、他の2人も両手で目を光から守る為に覆(オオ)った。 ―――― ★ ―――― 光が収まった所で、手を放し、瞼を持ち上げる。 其処は、荘厳の大部屋でも、況してや目の前に在った筈の石碑も、忽然と姿を消して居た。 其れを認知した途端、全身が異物感を訴えて来た。 先程までは眩(マバユ)い位の光に包まれて居たと言うのに、だのに、今度は濃い闇の世界が訪れた。 全てが暗闇に飲まれ、全てが隠される。 そして、自分と云う人間の意識さえも深い暗闇に飲み込まれた。 ガクンッ、と3人は暗闇の床に膝を付く。 一瞬にして全身から、体中の力が抜けた。 其のせいで、咄嗟に慌てて伸ばした腕は、手は、身体を支える物とならず、其の場に崩れ落ちた。 目も、辺りが暗いせいか、開けて居るのか、閉じているのか、其れさえも分からない。 景色は暗転した侭だ。 けれど、意識はハッキリして居る。 不意に、ぽぅっ…と暗闇が、ゆらりと揺らぎ、淡(アワ)い光が生まれた。 3人はソレを懸命に目で追った。まるで唆(ソソノカ)され、導かれるかの様に目は、意識は其方(ソチラ)へと向いて行く。 其の光の中に何か動くモノが映し出されて居た。 辛(カロ)うじて、捉えられたのは、其々(ソレゾレ)の瞳に映ったモノは、三者三様、違う者達だった。 (喧花)「十 志音?」 (風鵺)「仙祥たん?」 (摩耶)「朝顔の君?」 偽葬殿で出会った3人の男子…の幼き姿が映し出されていた…―――――。 (志音)『危ない!!』 鉄パイプが少女と其の少女を庇う様に覆い被さって来た志音とを、グサリと貫いて、地面に突き刺さる。 (仙祥)『だって素晴らしくない?両者共に“ハッピー”に成るって事なんだよ。だから…――――ね?』 幼い仙祥が、大人可愛い&御洒落(オシャレ)に室内装飾された女性部屋らしき所で、誰かと話して居る様子。 (nil)『俺は、劣化版か…。。。』 そう呟いたnilの唇には笑みがある。自虐に走った嘲笑が浮かべられ、瞳には限り無い幻滅と失望と絶望が宿って居た。 And that's all…? (それでおしまい…?) |