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俺が俺をみていた。

この言葉に首をかしげる者もいれば、それは鏡だと言うものいるだろう。同時にドッペルゲンガー?なんて茶化す者もいるのも事実だった。
だが、彼は何度も言うだろう。

俺が俺をみていた。と、
そして続けるのだ。俺が俺を見ていて、その隣でもう一人の俺が炎の向こう側で俺をみている。と、
越える事の出来ない赤い壁。此処に住むすべての存在が胸の内に恐怖するだろう、隔たれたその先で俺は困ったように笑い俺をみつめていた。

目を覚ます間での俺がみていた何かだと共に伝えれば、頬から鼻筋にかけ傷を持つ男が言う。
それは「夢」と言う奴だ。

睡眠をとる様になってからと言うものの、彼は一度たりとも「夢」を見ることなど無かった。それはこの本丸に続々と仲間達が増え続けるにつれ変わらない事であり、彼らが「夢」の話をしていても対して気にするものでもない。
休んでる間になにかをみている。
その程度の認識でしかなかった。
だが、ある期を境に仲間達が減り続ける最中、彼の見る夢とやらが色づいている事に気付く。
色だけではない。
指先で触れる感触、頬と髪を擽る見えない何か、トクトクと鼓動を刻む胸の震動。

夢とはこんなに鮮明なものなのか?
白黒だった廊下は昨日磨き終えたかのような光沢を放っていた。白一色だった頭上のなにかに色が落ち、彼はそれが澄んだ空だと認識できた。赤、黄、桃と色とりどりな花には虫が這い、廊下の隅に積まれた座布団には深緑色で鶯丸専用座布団と刺繍されている。
彼は360度世界を見回す。

この景色には覚えがある。
この風景には覚えがある。
この空気には覚えがある。
だが、

これではまるでーーーーー

彼は振り返る。後ろを歩いていたであろう友へと振り返る。

しかし、そこにあったのはーーーーー

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メジロ