ある日の朝
いつも通り、中学校へ向かう途中
「私、大野君が好きなの」
親友から衝撃の一言を聞く
実はその言葉は、今日たまちゃんに、私こそが打ち明けようと思っていたのだ。
でも、まさか、たまちゃんと同じ人を好きになるなんて…
「えっ!そうなんだっ…全然知らなかったよ!私てっきり杉山君だと…そっか…よしっ!親友のたまちゃんのため、全力で応援するよ!」
「まるちゃんありがとう!」
私は必死で嘘をついた。
本当は私も大野君が好きなのに…だけどこわかったんだ…正直に言うと大切な親友を失ってしまうんじゃないかって…
〜カムフラージュ〜
学校についてからも、私は、すべてにうわの空。休み時間も窓から景色ばかりを見ていた
「…くら?さくら?」
しかし、いつでも大好きな彼の声だけは、私に届くのだ。
「何、ボケッとしてんだよっ!ま、いつものことだけど」
とワシャワシャと私の頭をなでる
「ちょっ、やめてよっ」
本当は彼に触れられるだけでうれしいのに…
たまちゃんが心配そうにこっちを見ている
あー!!ヤバい。たまちゃん。こっちみてるじゃん!なんとかしないとっ。
「もう、うるさいなー眠いんだからあっち行ってよね!」
「なんだよ、つまんねー奴」
大野君はあっちに行ってしまった。
ふぅーどうにかなったね
表面とは、裏腹心は正直だ。まだドキドキしてる
。
本当にあきらめられるの?私は自分に自問自答しながら、午前が過ぎていった。
そして昼休みに大野君がまた、私に話かけてきた。
「さくらー!女子、次、体育だったよなー?保健の教科書貸してくれ!」
「まる子、今日持ってきてないよ〜」
また私はウソをつく
「あっ!たまちゃん持ってたよね?」
「うん!」
「たまちゃんから借りなよ。たまちゃんの教科書は、まる子と違ってキレイだよっ!」
「はいっ大野君。」
「ふーん。本当キレイだなっ」
あっ、たまちゃんうれしそう…
「さくら、この前、お前から教科書借りた時、パラパラマンガ書いてあったぞ!
特に数学苦手なんだから、授業ちゃんと聞けよー穂波を見習えよなっ!
やべっ!もう移動しないとっ、穂波ありがとなっ!」
そう大野君は去っていった
大野君、まる子に対して確実にあきれ顔だったな…なんでこうも、たまちゃんと違うんだろう。
大野君もたまちゃんみたいな、しっかりして、おしとやかな子の方がいいに決まってるよね…
たまちゃんを応援する。これでいいんだ。親友は裏切れないもん。私は自分の中で何度も言い聞かせた。
その放課後、いつも通り4人で一緒に帰っていた。
「なあなあ!」
「どしたの?杉山君」
「俺の姉貴、今、遊園地でバイトしてて、タダ券もらったんだ。みんなで行かねー??」
「うん!いいねーっ♪」
ってヤバい、気きかせないと…うーんどーしよ。
「ねえ、今週の日曜日なんてどうかなー??」
珍しくたまちゃんが積極的だ。大野君と楽しみたいよね…
「ああ、俺はいいぜ」
大野君もたまちゃんも、大丈夫なら…まる子は…
「あっ!まる子、日曜日、用事あったんだった。行けないわ。」
後は杉山君、頼むよ。
「俺も日曜日用事ある。」
よしっ!これでたまちゃんと大野君とデートできる…ってうん??
「俺もさくらも行けないから、明日…土曜日はどうだ?」
っておーい…杉山君あんた空気少しは読んでよ…
「俺は大丈夫だけど」
「私もーまるちゃんは?」
「まる子も…大丈夫…」
「じゃー決まりなっ♪」
なんか杉山君。すごくうれしそうだし、たまちゃんの事好きなのかな??だったら嫌だよね…
好きな人が他の人とデートしちゃったら。
本当は私も…いやいや、明日遊園地かー。どうにか、たまちゃんと大野君2人にさせてあげないとね…。
「じゃー2人とも明日な」
「寝坊すんなよーさくらー」
「もうっ、わかってるよ!」
そして大野君と杉山君と別れた。
「アハハ、大野君ってまるちゃんのお兄ちゃんみたい」
「嫌だよあんな、お兄ちゃん」
「アハハ」
「たまちゃん明日楽しみでしょー?ちゃんと協力するからね」
「ありがとう…でもね、まるちゃんって…」
「どしたの?たまちゃん」
「ううん…なんでもない。じゃー明日ねーまるちゃん」
「うん、バイバーイ!」
そして、たまちゃんと別れた。
ハァー…自然とため息がでる。明日、行きたくないなぁ…。
でも、しょーがないよねっ。あーこなったらヤケだ。明日は、絶叫系の乗り物乗りまくろう。
次の日、遊園地の待ち合わせ場所に、なんとか遅れないで間に合った。
「みんな、おっはよー♪」
「まるちゃんおはよ!」
さすがたまちゃん、今日はワンピで気合い入ってるねぇ。
私は、動きやすいジーンズにチュニックだ。
あまりにもたまちゃんの、かわいいさに杉山君もテンションが上がって口を開く。
「穂波…なんか今日雰囲気違うなー大人っぽいつーかなあ?大野?」
「ああー穂波らしくて似合ってんじゃん!さくらは…乗り物乗る気マンマンだな!でも、さくららしいか!」
たまちゃんは、すっごくうれしそう。
まる子は、いんだもん、乗り物乗りまくるから。
「どうしよう?どこから乗るー?俺あれは絶対乗りたいんだけど」
杉山君が、ちょうど絶叫系の乗り物を指す
ええいっ!もう強行突破だ!
「奇遇だねー!!まる子もアレっ乗ってみたかったんだ!
じゃーあたしたち、最初にアレ乗ってくるついでに、後も色々まわるから、2人で適当にまわっててよじゃーね!!」
杉山君には悪いけど…
杉山君をひっぱって、すぐその場を離れた。
「お前ひっぱりすぎ!!」
「ごめんごめん!」
「さくらーよっぽど乗りたかったのかーコレ…」
しめしめ、杉山君が鈍感で助かった。
「うん、そーだよ早く乗ろう!」
よしっ、今日は絶叫マシンをのり通すぞ!
杉山君とまる子は絶叫マシンを乗りまくった結果
「待って俺もうギブっ…さくらよく平気だな…」
「えーもう!?まだまだ、あたしゃ行けるよ♪でもちょっと休もうか」
とりあえず、一度休むことにした。
すると大野君とたまちゃんがベンチに座ってる。
たまちゃんと大野君が話をしてる姿を見てチクリと胸が痛む。
「あっ、おまえらは、どうしたんだよ?」
「さくらと…絶叫マシン乗りすぎてちょっと休憩に。でも、まださくら平気なんだぜー」
「へへっ…」
杉山君より、平気な私って一体…。
「俺一回休んでるわ…」
「私も休むね…」
「じゃー俺と穂波、休んでるから大野とさくらは、時間もったいないし行ってこいよ」
「ああ、じゃーさくら…どっかまわろうぜ」
「あ…うん。じゃー後でね!」
たまちゃん元気ないなー疲れたのかな?杉山君がんばってくれたから、少しは、たまちゃんと一緒にいさせてあげよう。
そして、私は…??大野君と…
2人きりになると思わなかったので、私の激しく動き出す。
「さくらどこまわりたい?」
「絶叫系はさすがに飽きたしねー」
せっかく2人になったけど、中々決まらない。
「どっこも混んでるなー…あっ、あそこならすぐ入れそうだ」
大野君が指をさしたのは、観覧車。
あんな密室なところで2人っきり、心臓壊れちゃうよー。
「でも、大野君的にはつまんなくない?」
「別にーどこも入らないよりはマシだろ?」
「うん…」
たまちゃんごめん!これだけは、楽しませてね…
そして観覧車へと向かった。
大野君の言った通り、2、3組しか並んでなくすぐに私達の番がきた。
先に大野君が乗り込んだあと、手を差し伸べてくれた、
私はドキドキするのを必死にこらえて、手をとり乗り込んだ。
静かな2人だけの空間。
「わー!高い景色キレイだね」
チラリと様子を伺うが、
大野君は、「ああ」
とは言ったもの会話がそこで途切れた。
真剣な顔して、たまちゃんの事心配なんだろうな…
大野君の様子を伺うが、中々声が出ない長い沈黙が続く…。
ドクンドクン…
心臓の音しか聞こえない…
そして、ちょうどてっぺんを越えようとした時だった…
先に長い沈黙を破ったのは大野君だった。
「さくら昨日から様子おかしいぞ?なんかあったのか?」
ギクッ!
「なんでー?いつも通りじゃん」
もう…なんでわかるの?
「だって、お前ずっと目が笑ってない…」
彼の真剣な視線が私に突き刺さってくる。
とその時だった…
ガタッ!バイトのおっさんが!?
「はーい。もう降りますよーおじゃまして悪いねー混んできたので2週目はまた並んでください」
おっさんナイスタイミング!!
そんなおっさんに急かされ私達は降りた。
私はなにも聞かなかったようにスタスタ歩きだす
「たまちゃん達待ってるから、もうそろそろ行こう」
一生懸命ごまかそうと思ったけど、そうはいかなかった。
大野君が私の手をひっぱる
「なあ、ごまかすなよっ!俺、さくらが辛そうにしてるのに、ほっとけない」
ダメだよ、大野君なんでそんな優しいの…やっぱり私は大野君が好きだ…でも、たまちゃんが…
私の心はグチャグチャだった。思わず私は
「もう、しつこいなーっ、ほっといてっ!」
パシッと
大野君の手を振り払った
あっーやっちゃった!
どーしよう謝んないと…
すると大野君が…
「しつこくして、悪かったよ…俺ちょっとさくらと仲良かったくらいで、自惚れてたかもしんねぇーもう聞かねえよ…」
スタスタと大野君は歩き出した
違うよ…本当は心配してくれてうれしかったのに傷つけた…せっかく心配してくれたのに。
ボーゼンとする私…
足が動かない…
視界がぼやける…
頬に冷たいものが流れる
「どうした?さくら行くぞ…ん???ってなんでお前が泣いてんだよっ!?」
溢れる涙とともに溢れる想い…もうダメだ止まらない
「違うの…本当は心配してうれしかったの!だって…だってまる子、大野君好きなんだもんっ!!」
「はぁ!?何言って…ってえぇ!?」
大野君はなにがなんだか、さっぱり状態軽く混乱している
「はぁー」
えっため息…やっぱり呆れられちゃったよね
「さっきは本当にごめん…なさ…えっ!?」
フワリと私を抱きしめながら彼は言った
「お前なーそういう事は早く言えよな…俺、嫌われたと思ったじゃん」
彼の顔は耳まで真っ赤だ
「俺もさくらが好きだ」
「えっ、嘘…」
「嘘じゃねぇよ」
「本当?まる子でいいの?」
「最初から、さくらしか見てねーし」
「本当…うれしい…」
これは夢なのか現実なのか、涙で視界がぐしゃぐしゃでわからない。
「でも俺って頼りない??」
「ううん頼もしいよ」
「ならもう隠し事するのナシな!今度やったら…キスだからな」
おでこにチュッとキスされた。
おでこが熱い。
「うん、もうしないよっ!しかも大野君にすぐバレちゃうもん」
しばらく私達は抱きしめあった
そして、私のカムフラージュも彼により破られ、ハッピーエンドで、めでたし、めでたしといきたいとこだったが…
まだ私には、もう1人、本当の事を言わなきゃいけない人がいる。たまちゃんだ…
もう、これ以上嘘つきたくない!
すっかり日も暮れ、私達は、手をつないで
たまちゃんと杉山君のいるとこへ!
「大野とさくら遅かったなってえぇーお前らそういう関係だったのか!?」
「たまちゃんごめん!まる子、大野君が好きなのっ。なのに…なのに…まる子たまちゃんに嘘ばかりついて裏切った。許してもらえるとは思ってないけど、もう大切な人には嘘つきたくないんだ」
「違うのまるちゃん!
私が悪いの!ごめんね!
本当は、まるちゃん大野君の事好きな事くらい気づいてた…親友だもん。
なのに、私が、まるちゃんの想いを閉じ込めちゃったの。
もし、私が大野君好きだって言ったら
まるちゃんが応援してくれるのわかってて…」
ガーン!?
なにも知らない杉山君は一人ショックを隠しきれない様子だ。
「でも、私さっき大野君に告白してフラレたんだ。はっきり言われちゃった。俺さくらが好きなんだって。
最初はやっぱり、ショックだったけど、今は辛くないよ…まるちゃんから本当の事言ってくれたし、大事な親友が幸せになってくれるんだから☆だから私に遠慮しないでね!」
「うっ、うわぁーん!たまちゃんありがとうっ!!ごめんね!ごめんねー!」
「私もまるちゃんに辛い思いさせてごめんね!」
私達は泣いた…。泣いて泣いて、色んな嘘を洗い流した。
すっかり夜になり、今日のメイン花火大会だ。
そんな中
やっぱり気を使われてしまい。今は大野君と2人きり。
ヒュー…ドンッ!!
「わー!すごいっ、あの花火ハートになってる…きれいだねっ!すごいねー」
「ぷっ、お前隣にいる子供と反応同じ」
「なにさー!」
それにしても少し肌寒いなぁ。上着もってくれば良かった。
「どうした?さくら…」
「ううん、なんでも…ックシュ!」
「ったく、寒いなら言えよ!また、無理して…隠し事なしだって言ったよな?」
大野君は上着を差し出す
「ごめん!ありがとう♪」
「ダメ許さない…」
「えっ!」
大野君の唇が私の唇に触れ、ゆっくり放れる
「隠し事したらキスだって言ったろ」
ドキドキ
「ーじゃーいっぱい作ろ☆」
「お前なぁ…」
「えへへ☆」
ヒュルルルードンッ!
空に花火が咲く…
「いつかたまちゃんの想いも誰かに届いて咲くといいなぁ…この花火のように。」
「ああ…」
愛も笑顔も涙も…すべてが詰まった初夏だった。
これから私達の夏が始まる
〜END〜
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