〜Lonely Moon Night〜


大野君が東京に引っ越してから3ヶ月、初夏に近づく頃、寝苦しく状態ではないのに…





眠れなくて目が覚める


大野君がいなくなってからは、いつもこんな感じだ。


布団の中…静寂の時間…時計の秒針の音…


その静けさに不安が一気に押し寄せてくる。


離れていたって、気持ちが変わらないのは、わかっているのに…


私は、落ち着かないので窓辺から月を見上げた。

今日は、まんまるお月様

凍りついたような白い色がさらに寂しさを増す


今、大野君何してるかな?もう寝てるよね…


携帯を見つめ、かけようと手を伸ばしたが止めてしまった


するとちょうど電話がかかってきた


「もしもし?」


「あっ俺…もしかして寝てたか?」


大野君からの電話だった

「ううん寝つけなくて、起きてたよ」


「はは…俺も寝れなくてさ」


「別に清水は寝苦しくないんだけどな」


「こっち(東京)も、そんなんでもねーけどな」


そんな事を話ながら、たわいのない会話が、進んでいた。


「そういえば、大野君…なんか用事あったんじゃないの?」


「いや、あの別にただ声が聞きたくて…さ。」


「ふふっ…へへへっ♪」


「何だよその笑い声」


「いや、嬉しくて。へへ。」


彼が真っ赤に照れてる顔が思い浮かぶと自然と笑みがこぼれる。


その後も中々、私たちは電話を切ろうとしなかった


「明日も晴れるかなー?月も綺麗にでてるけど」


「月??ああ今日は満月か」

「うん。なんか寂しそうな月」


「そうだな…」


私も寂しい…会いたい…


本当は、そう言いたかったけど、心配させたくないから、言えなかった。

「俺も…」


「え??」
テレパシー!?


「絶対夏休み入ったら、さくらに会いに行くから」


「うん…グスッ」


何もいわなかったのに気持ちが伝わったのが嬉しくて涙が出てきた


すると
「いや…やっぱ今週の連休絶対行く!!」


「えっ?部活忙しいのに無理に…」


「だってお前、今泣いてるだろ?ほっとけねえよ。

なんでも我慢しないで、ちゃんと言えよな。

ただでさえ離れて不安なんだから」


ほら…やっぱり彼には叶わない。


何も言わなくても、触れなくても、伝わってしまうんだ。


私の気持ちが。


「本当は、まる子も今すぐにでも会いたいよ」


だから、あなたの前では素直になれる。


「ああ絶対行くから、だからそれまで泣くなよ…」


「うん、嬉しい。待ってる」


それからも、私達の会話は続いた。


いつまでも、あなたの声を聞いていたくて


中々「おやすみ」が言い出せなかった


それでも彼は、眠たそうな声で話してくれた


0時をまわる頃には、電話を切ってしまったけど、もう涙はでてこない。

こんな広い世界だけど


この時間だけは


私達、2人だけの空間みたいだった


いつも彼と話てる時は


朝が来なければいいのに

そんな事さえ思っていたが


今の私は


朝が来ないと、彼には会えない


だから早く朝が来ればいいと思った。


彼の一言で変わる私の世界。


改めて私は、彼を愛しているんだなあと実感した。


そして、不安なのは私だけじゃないということ。

彼だって私を大事にしてくれているという事。


離れていると今までわからなかった。
気づかなかった事も見えてくる。


もう一度月を見上げ、あなたを想い


あなたも同じ月を見てるんだと思うと


繋がっているんだなあと感じる。


あなたと話した夜長に。

ちょっとだけ大人になった私を…


次会うときは、あなたは気づいてくれるかな?


END
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