Deep Rain
雨か…ついてないな…
今日は晴れるっていっていたのに。
学校帰り突然降ってきた雨。
傘を持っていない僕は雨がやむのを待っていた
そんな時だった
「ひーらば!何やってんの?」
相変わらず無邪気に話しかけてきたのはさくらだ
「さくらか…雨がやむのを待ってるんだ」
「わーこれは結構ヒドくなってきたねぇ」
「さくらも今帰り?」
「うん、大野君、傘持っていないと思うから。
まる子、傘あるし一緒に帰ろうと待ってるんだ」
「そうか…雨だから部活中止だもんな」
「そうなんだあ!」
えへへと彼女は笑う
なんて嬉しそうに笑うんだろう
きっと僕ではこんな、笑顔は引き出せないことだろう
僕は、どんどん溜まっていく雨を見つめていた
すると早速大野がやってきた
「さくら待ってたのか?…あっ平岡も居たのか」
大野視線が突き刺さる
「うん。大野君、傘持ってないと思って待ってたんだぁ」
「俺、傘持ってるぜ」
「えっ?なんだー。じゃー、ひらば、まる子の傘入って帰ろうよ」
ドキッ
「えっ?」
チラリと大野を見ると…かなりの不機嫌モードだ大野もわかりやすいよなあ。
「えっ、俺はいいよ。」
「だってひらば濡れちゃうよー!まだ全然、雨やみそうもないし」
心配してくれる、さくらは。いつも一生懸命で、とても、愛しい。
そんな事を思っていたら大野が口を開いた
「じゃー俺の傘平岡に貸すよ」
「それじゃあ大野君濡れちゃうじゃん?」
さくら…大野は、さくらと一緒に傘に入りたいんだぜ
しょうがない…
「大野とさくらが一緒に傘に入れば問題ないだろ?」
「そっかぁーそうだねぇ。じゃーそうしよう!」
大野とさくらは仲良く一つの傘に入る
「大野、傘ありがとうな!」
「ああ。じゃあな平岡」
「ひらば風邪ひかないでね。じゃーね」
2人は雨の中消えていく
さくら…本当鈍感だな。
きっと傘さしてる大野が、さくらを濡れないように気遣ってるのも気づかないんだろうな。
大野もいつも大変だなと思いつつ
僕のさくらに対する想いは、この水たまりのように、溜まっていって、蒸発もできず。今にも溢れ出しそうだ。
君は光…
そう、さくらに想いを打ち明けた時、きっと蒸発できるだろうけど
僕にはそんな勇気はなくただ光(君)を見つめている事しかできない
手を伸ばしても届かない存在なんだ
僕は光(君)に照ら(優しく)されるたびに、闇が深くなっていってしまうんだ
光と闇の狭間をさまよい僕は苦しいけど…
君が笑ってくれれば、それでいいんだ。
うん、今はそれでいい。
「今日は、まだまだ雨降りそうだな」
いつまでたってもやまない雨が
まるで、僕の中の「さくら」みたいだと思った。
そんな6月の雨の日だった
[END]
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