小学一年生…

出会った時から

ずっと、ずっと、

憧れていた…


「Pieces of love」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「また、あんたたちケンカしたのー?二人とも、似た者同士で、意地っ張りなんだから、早く仲直りしなよ?ほら、さとしっ!」


「うっ…ご、ごめん」


「けんいちはー?」


「お、俺もごめん」


ナデナデ
「はい、二人ともよくできました」


ブンブン
「やっ、やめろよ、もう小学生だぞ!」


「そうだ!姉ちゃんウザイぞ!」

「もうっ、生意気なんだから!」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
親友の姉貴だ。


小さい時は色んなところに連れてってくれて、姉弟がいなかった僕は、なにもかもが楽しくて刺激的だった。


杉山とケンカしても、いつも平等に接してくれる、彼女が好きだった。


年齢が離れすぎてるにも関わらず、彼女といるだけで、少し大人になれたような気がして、彼女のいる前では、僕なりに背伸びをしていた。


今、考えるとあまりにもガキくさくて…子供らしくしてなかった自分が恥ずかしい。


そして小学三年生。
東京に転校する事で、杉山とケンカした後日


杉山に会う気はなかったが、いつの間にか、杉山宅の前を歩いていた。


「あれ?けんいちじゃん!さとしに用事〜?」


フイッ
「ちげーよ。たまたま通りかかっただけだ。」


フッ
「そう?けんいち、転校するんだってね…」


「……」


「さびしくなるなぁー。また、遊びにおいでね!待ってるから…さとしも…」


「…あいつはっ!」


「待ってるから…」


クルッ
「……じゃあな…」

タッタッタッ


「もう、素直じゃないんだからっ。けんいちも。さとしも…昔は、もっと、かわいいかったのに…」


あれが最後に会った日。


僕が、静岡に戻ってきた、中学生の時には、もう、彼女は東京に上京していた。


彼女に会わず
あれから、7年。


僕もようやく、あのころの彼女と同じ、高校生になった。


「ねえねえ大野君!今日、うちに来る〜?」


「杉山に用事あるから、杉山の家に寄ってから行くけど、さくらも行くか?」


「うん!」


今では、僕も成長して本当に心から愛しく思える人もできた。

ピンポーン

ガチャ
「入れよ」


「「おじゃましまーす」」


「あれ?誰かと思ったらけんいちじゃない」


一瞬呼吸が止まるくらい、僕はびっくりした。


「久しぶり〜!どこの、イケメン君かと思ったわよ!わぁ、すっかり立派になっちゃって!…あっ、ごめんね!さとしの姉です」


驚いた僕は中々声がだせず

「こんにちはー!えーすごく、キレイなお姉さんだねっ!…大野君…?」


「久しぶり…」


その言葉を言うのが精一杯だった。


「ふふっ、相変わらずね。呼び止めてごめんね、はいあがって、あがって」

久しぶりに会った、親友の姉貴。あれから、ますます大人っぽくなっていた。


最初の時に僕はよっぽど変な顔をしていたのか、普段中々、細かいことに気付かない彼女のさくらが、何か聞きたそうにこちらを見てきた。

だが、今は何も話せる気がしなく、杉山の部屋へと向かった。


「杉山君のお姉さん、あたし初めてみたよ〜めずらしいね家に居るの」


「あいつ、もう少しで結婚すんだよ。なんか色々決めるのに、戻ってきてんだ」

「へぇーあのお姉さんなら、きっと花嫁姿キレイだろうなぁ」


「そういえば、昨日、招待状、送ってたみたいで、大野にも送ったみたいだぞ?」

「俺!?なんでだよ?」


「まぁ、長い付き合いだし、姉貴がどうしても出席ほしいんだってよ。結婚式なんて、窮屈で俺もヒマだし、なっ?でろよ!」


「お前、親族なのにヒマって…」


「そうだよ!出席して絶対、お姉さんの花嫁姿、写真撮ってきてよ!見たい!」

「わかったよ。出ればいいんだろ。」


再会したばかりで結婚なんて、なんだか現実味がなく
結婚式当日を迎える


「おっ!きたきた、見ろよ!あんな姉貴でも花嫁姿になると良くみえるもんだなぁ」

ポカッ
「さとし、あんたはいつも一言多すぎるのよ」


「ほんと、こんな姉貴が嫁でいいんすか〜?」

ハハハッ


後ろ姿からくるっと振り返る

彼女は、キレイで。これまでにないくらいキレイで。とてもまぶしくて。

「あっ!けんいち来てくれたんだ。ありがとう〜!」

僕は呼吸をする間もなく


「結婚おめでとう…」


と伝えた。


「ありがとう…」


と涙目になる彼女を新郎が優しく見守る。


そんな様子を見て、安心したのか、僕は、もやもやしていた気持ちがふっとんでしまい。


「泣くなよ。せっかくキレイなのに崩れるぜ」


普通に話せるようになった。


「ねえ、この前一緒に来てたの彼女?」


「ああ、まあな」


「かわいらしい子ね!ああいう子の方が意外にモテるから気をつけるのよ〜」


「知ってる…」


「やっぱりね!誰かに奪われないように気をつけるのよ」


「わかってるよ。俺だってもう、そんなに子供じゃねえよ」


「心配してあげてるのよ!だって、けんいちは、私の弟みたいなもんなんだから」


「えっ、大野!こんなのが姉貴だったら大変だぞ!」
ポカッ
「痛てっ」

「だから、さとし、あんたは一言多いんだって。」

ハハハ…

そして、
ずっと憧れていた人は

無事、嫁入りをした。

ずっと、ずっと、憧れていた。

僕の本当の姉弟みたいな姉貴。

彼女の最高に幸せな瞬間を見届けられて、本当に嬉しく思う。


〜おまけ〜


「大野君!この前の結婚式の写真見せて!」


「んっ」

「わぁーキレイ!想像してたより…何倍もキレイっ!あっ!」


「どうした?」


「写真の大野君、顔赤くない?」


「そうかぁ?」


「この前から怪しいと思ってたんだよね〜大野君、昔、杉山君のお姉さん好きだったでしょ?」


「はっ?ばっ、ちげーよ」


「だって、また、顔赤くなってるよ」


鏡をみる

「嘘だよん。アハハ。こんなに焦ってる大野君初めて見た!」


「お、ま、え、な〜!」


「ごめん、ごめん。悪かったってば!でもあんなにキレイなお姉さん好きになるのも無理ないよね」


「そういう好きとかじゃなくて、あいつとは姉弟みたいなもんだから」


「大野君、一人っ子だしね。いいよね!そういう関係。」


「まあな…」


END








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