さくらクンこれを受け取ってくれたまえ。

えっ!?

それはでっかいダイヤのついている指輪だった。

僕と結婚してほしい。僕には君…さくらクンが必要なんだ…。

返事は来週の日曜日に聞かせてほしい。


先日、突然、花輪君にプロポーズをされた。


久しぶりに再会して時間が合えば食事に誘ってもらって会っていた。

あまりにも突然だったのでその時は会話をするのでいっぱい、いっぱいだった。

私ももう25歳を過ぎて結婚だって早くない年齢になった。

結婚したら、優しい花輪君の事だから

たくさん私を幸せにするために懸命になるだろう。

それでも、私はどうしてもある人に言いたかった。

ええっ!あの花輪財閥の息子からか!?

うん…。

このダイヤなんて何カラットだよ!?
数千万はくだらないよな…

ヒッヒッヒッこれを売れば、新しいカメラも買えるし…海外も行けるし、今の生活から脱出できますよ旦那!

お主も悪よのう…って相変わらず、越後屋のモノマネうまいな…

なぜそれを!?って、そんな事はしないけど。

2つ上のひろし君。

お兄ちゃんにしては、少し頼りないけど
小さい頃から、仲が良くて今でも、こんな風に何かあるとすぐ、相談にきてしまう。

もちろんOKするんだろ?

…わからない。まだ迷ってる。

こんなチャンスたぶん1億人に1人くらいだぜ?

…うん。

まあ、ももこが新しい生活になるんなら、ちょうどいいしな。

えっ?

俺、次に写真のコンクールダメだったら、海外に旅に行って少し勉強しようと思ってんだ。

そ、そうなんだ。

だから、俺たちの人生の大きい転機になるってわけだ。お互い結果がどうあれ、ももこが幸せならそれでいいや。

うん…。


それしか言えなかった。

花輪君もひろし君も

とても真っ直ぐに前を向いてる

だから、私も真っ直ぐ前を向かなきゃ

答えをださなきゃ…。


―日曜日―


悩んで、悩んで、悩みぬいた結果

私は花輪君の好意に応えようと思った。


やあ、返事は決まったかい?


はい…

と、前を向いた時だった。

花輪君の後ろの壁に貼ってあるポスターが目にはいった。

それは、ひろし君の今後の人生が左右される、例のあのコンクールのポスターだった。

コンクール…今日発表だったんだ…。


どうしたんだい?もしかして、まだ答えが出てないのかい?

…なさい…。

えっ?

花輪君ごめんなさい!


こんなつもりじゃなかった…

ちゃんと花輪君と結ばれて、子供が産まれて、孫ができて…そこまで未来を描いていたはずのに

私は、今、ひろし君の方へ向かっている


だって、私がマンガ家にデビューするまでも、ずっと、ずっと支えてくれたのは、ひろし君だった。


結果はどうあれ、私は…


ひろし君の傍に居たいと思った。

たぶん、自分が気がつかないほどずっと前から、そうなんだと思う。



はぁ…はぁ…はぁ…あっ!ひろし君!

どうしたんだよ!?そんな急いで

ごほっごほっ…コンクールどうだった?

今回は…

ゴクリ。


金賞だぜ!


やったぁ!!!!おめでとう!!


これでようやく、ももこと同じスタートラインだな!プロポーズOKしてきたんだろ?

それが…

はぁ〜〜〜?????まじかよ!?玉の輿が…なんで断ったんだよ?


だって、ひろし君のコンクールの結果見にいかなきゃと思って…。


………ふっ…まあそれは大事だよな。

これからの、俺にとっても

ももこにとっても…。


と言って私をそっと抱きしめた


〜END〜




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