『Invisible Promise』
いつもの僕の小屋にて。
トントン
「入るよー?」
「おう、入れよ」
何も約束をしてないのに、また君はやってくる。
「はいっ、差し入れだよ」
「サンキュ!」
もくもくと、会話もなく、それぞれの時間を過ごす。
僕はカメラを。
彼女は、僕が撮った写真のアルバムを見てる。
彼女と会話をしないわけでわないが…
この、会話のない、空気、瞬間(とき)が、一番心地がよいのだ。
そんな、ゆっくり時間が流れる中。
彼女は、ふとたまに、とんでもない事を口走る。
「ひろし君、あのねー…今日、まる子、同じクラスの男子に告白されちゃったんだ。」
ドクン…。
「…!?」
思わず、カメラが手から滑り落ちそうになる。
「で?」
「もし、その気があるなら、次の日曜日にどっか出かけようって言われて…」
ゴクッ…。
「でも、断わちゃった!」
ホッ…。
って、なんで俺ホッとしてんだ?
「でも、なんで断ったんだ?」
「だって、まだ付き合うとかよくわかんないし、その男子とは、やっぱ友達でいたかったから。」
「ふーん。そんなもんか?ま、おまえらしいけどな」
「後ね…休みの日は、ここに居る方が楽しいもん。」
ドクン…
「……そうか?」
「うん!もしかしたら…いつも来て迷惑だった?」
君の言葉はいつもストレートすぎて…
「別にーおまえ俺の邪魔するわけじゃないし…いままでどおり来いよ。」
そんな時、僕は、時々その流れに逆らいたくなるけど…
「そっか、良かったー!」
君の笑顔が邪魔をする。
「そんなにここが好きか?」
「うん!ここ大好き!ここにいると、心地いいんだもん。」
「俺もそう思う。」
だから、僕も素直になれるんだ。
「そうだよね!だから、ずっとここに来るよ!」
「大袈裟な奴だな〜」
「いいじゃん!ずっと来るんだもん。」
例え言葉にださなくても、
きっと僕も君も同じ気持ち
そんな今の距離感が、もどかしいけど、僕と君の相性をよりいっそう良くしてるような気がする。
…ずっとここに来るよ…
永遠に君と居れる、約束も保証なんてどこにもないけれど、君のその一言で、僕は、ずっと、ずっと、君との時間を、こんな平凡な時間を共有していければいいと思ったんだ。
END
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